2004 Fiscal Year Annual Research Report
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14370680
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉崎 正志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30085873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 奈穂子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00317968)
木野 孔司 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教授 (80143585)
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Keywords | 顎関節症 / 筋痛 / 筋血流量 / 組織酸素飽和度 / 因果推論 / 構造化方程式モデリング / 近赤外線組織血流計 |
Research Abstract |
目的:咀嚼筋筋痛を有する顎関節症患者に対し、両側の安静時咬筋組織血流測定(生物学的評価)と多軸質問票評価(日常生活障害(LDF-TMDQ)、心理評価(HADS)、日本語版マギル疼痛質問票(JDMPQ)など)で患者評価を行い、患者自身による筋痛の感覚的疼痛評価を生物学的・心理学的な評価法によって客観的かつ非侵襲的に評価する方法を確立する。今年度は最終年度であり、データ解析、解析結果に関する専門家とのデスカッション、学会報告および報告書の作成を目的とした。方法:データ解析は多重指標モデル(双方向因果モデル)を用いた(AMOS、Ver.5)。このモデルでは潜在変数として生物的評価、疼痛評価および心理評価を設定し、観測変数には疼痛側咬筋および側頭筋前部筋束部の加圧疼痛スコア合計、JDMPQ感覚表現点数およびLDF-TMDQを用いた。生物的評価には疼痛側咬筋還元Hb値、疼痛側と非疼痛側の還元Hb値および酸化Hb値差を、心理的評価にはHADSの不安及び抑うつ得点ならびにJDMPQ情動表現点数を用いた。多重指標モデルでは潜在変数間の因果の方向を変えたモデルで検討した。これにより選択されたモデルを用いて、適合度指標から患者自身による疼痛評価への生物学的評価と心理学的評価の関連性を明確にした。結果:Browne-Cudeck規準0(BCC0)で検討した結果(BCC<=2.285)、6種類のモデルが選択され、これらの臨床的妥当性および専門家との意見交換から疼痛評価→心理的評価→生物的評価へのパスが引かれたモデル、心理的評価→生物的評価と疼痛評価の両者にパスが引かれたモデル、および心理的評価→生物的評価→疼痛評価へのパスが引かれたモデルが適切と考えられた。結論:筋痛評価には心理状態評価が大きく関与し、筋血流評価のみでは説明困難であることが示された。
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Research Products
(3 results)