2004 Fiscal Year Annual Research Report
舌機能の発達過程の変異および歯列咬合異常と構音障害との関連
Project/Area Number |
14370689
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 雅章 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (40114730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 全三 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (30157705)
向井 美恵 昭和大学, 歯学部, 教授 (50110721)
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Keywords | 開咬 / 舌突出癖 / 音声音響分析 / 構音障害 / フォルマント周波数 / 超音波診断装置 / 安静時舌位 / 舌背形状 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に行った開咬児の音声分析の結果を5月に開催された日本小児歯科学会大会で発表するとともに、安静時舌位に着目して前歯部咬合関係との関連を検討した。被験者は前歯部不正咬合を有する混合歯列期の24名で、舌突出癖群(開咬7名、前歯部反対咬合6名)、非舌突出癖群(前歯部反対咬合3名、Angle I級叢生8名)の二群に分けた。 舌位の分析は超音波診断装置から得られる画像をトレースして行った。エコーウインドウは下顎正中を通り咬合平面に垂直な矢状断としBモードによる描出を行い記録した。Bモード画像上の下顎第一大臼歯近心点と第二乳臼歯(第二小臼歯)の近心点を結ぶ線を基準線とし、嚥下口腔相における舌と口蓋との最後方接触点から第一乳臼歯(第一小臼歯)中点からの基準線に対する垂線と舌背との交点までをトレース範囲とした。 舌背の丸みを分析するために、トレース部を近遠心的に4等分し、それぞれのタンジェントを算出し、各隣接区間のタンジェント値の差を平均化したものをCTD(Curvature of Tongue Dorsum)と定義した。このCTDと咬合位側貌頭部X線規格写真より求めたオーバーバイト量との相関関係を検討した。 全ての症例において、嚥下時(p<0.01)安静時(p<0.05)ともに、CTDとオーバーバイトの間で有意な相関が認められた。安静時では、舌突出癖群においてCTDオーバーバイト間で有意な相関が認められた(p<0.05)が、非舌突出癖群では認められなかった。また、開咬を呈する患児群のCTDは叢生を呈する患児群のCTDに対して非常に小さく、分散は非常に少なかった。以上より、安静時舌位が嚥下時舌位と同様に前歯部関係に影響を与えている可能性、および開咬を呈する患児の安静時舌背形状はおおむね平坦であることが示された。
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Research Products
(2 results)