2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型を用いた法歯学的個人識別における実用度の高い検査法の開発と精度の向上
Project/Area Number |
14370701
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (30180912)
羽賀 俊明 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (80287185)
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Keywords | ミトコンドリア / DNA多型 / 系統分類 / 日本人とマレー人 / 高度変性DNA / 個人識別 / マイクロサテライト / SNPs |
Research Abstract |
211人の日本人のmtDNAのcoding領域の79箇所の変異を検査し、前年度の結果で51のsub-groupに分かれていたものを106の系統と197型に分類した。この結果は仮にHV2の309〜315の配列の変異を除いても185型に分類された。最も多い型はD5、A6、B4、D4に計5型が3人に認められた。さらに新たな81人の日本人試料のmtDNA多型の検査では一部のcoding領域の変異を含め、74型に分類された。また30人のマレー人のmtDNA多型の検査ではcontrol領域と11のcoding領域の検査ですべてが異なる型に分類され、東アジアに認められない5種のM系統および2種のN系統を見出した。これらの結果はmtDNAのcoding領域の検査が、法医学上の個人識別のみでなく、対象者の地理的由来の推測にも極めて有用であることを示したものと言える。高度変性資料からのDNA多型検査の精度を確認するため、222例の歯牙および抜歯時の止血用綿花を試料として、高度変性DNAからの多型検査について検討した。2種のマイクロサテライト(VWA、CD4)と2種のSNPs(ABO、HLDQA)を対象とした検査で、template DNAの変性が進むに従って、allelic imbalance、allele drop、PCR不能の現象が、STRにおいてもSNPsにおいても表れることを明らかにした。さらにPCR産物の大きさを小さくすることは増幅効率を高めるが、コンタミに対しても鋭敏になることを示した。本研究成果は厚生労働省から依頼されている戦没者遺骨の鑑定や法医鑑定に非常に役立っている。これらの知見に加え、歯科臨床とのかかわりの中でX連関発汗減少性外胚葉異形成症患者のED1遺伝子におけるexon 9のpoint mutationがG→R変異をおこし、疾患原因になっていることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)