2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370707
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 大学病院, 助手 (40261523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯科研究科, 教授 (70187425)
飯山 正夫 東北大学, 大学院・歯科研究科, 助手 (00193152)
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Keywords | 超音波 / 歯槽骨 / 高周波 / エコー / 揺らし / 歯周病 / 平均化 |
Research Abstract |
歯科においては、組織内部の画像検査の殆どがX線診査によってまかなわれていると言って差し支えないほど、それ以外の手法による画像診査は臨床において利用されていない。英・オックスフォード大による研究によれば、我が国では放射線診断に起因すると推定される発ガン率が、世界的な平均値の2.7倍であるとの試算がなされ、X線診査を可能な限り他のより安全な透視検査に置き換える必要性が提言されている。本研究における高周波超音波エコーによる検索法は、微細な解像度が求められる口腔領域において、臨床的に有用な透視像の作成に道を拓く組織断層撮影技術である。昨年までの研究において、比較的簡単な手技操作により、歯周組織内部における歯槽骨の破壊の有無や、それによる形態学的変化などが検知された。本年度は、超音波エコー信号の解析により、歯肉もしくは歯槽粘膜表面から歯槽骨間の歯周軟組織における、歯周炎により生じた組織変化およびその治癒による組織の回復を表すシグナルのパターンの検出を試みた。超音波装置(パルサーレシーバー:Model5900PR:パナメトリクス)を用い、本実験への協力を承諾した歯周病を有する被験者口腔内にて歯周炎による炎症像を呈する時期と、治療によりやがて歯周炎が消退した際に得られたエコーを比較した。10〜30MHzの探触子を用いた。パソコン上において、計測波形のアベレージングを実施するプログラム(LabVIEW7 Express:ナショナルインスツルメント)を作成し、計測時にエコー波形を30〜50回平均化した波形を解析した。その結果、炎症時において浮腫状を呈する歯肉では、潜時の短いエコー波形成分が少ないことから、炎症組織が超音波の波動エネルギーを吸収・拡散し易いのに比べ、炎症が消退した歯肉では、潜時の短い波形成分がやや優勢となることが認められた。組織内の浮腫像が解消され組織間隙における界面反射が反映された結果と思われる。
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