2003 Fiscal Year Annual Research Report
塩基性線維芽細胞増殖因子を用いた歯周組織再生医工学の確立
Project/Area Number |
14370709
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池澤 一彦 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80294114)
北村 正博 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (10243247)
島袋 善夫 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50231361)
浅野 泰司 科研製薬株式会社, 総合研究所・主任研究員
佐保 輝之 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (10263295)
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Keywords | 歯周組織 / 歯周組織再生 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / サイトカイン療法 / 歯根膜細胞 / ヘパラン硫酸 / PLAP-1 / DNAチップ |
Research Abstract |
塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)刺激により歯根膜細胞よりヘパラン硫酸産生が惹起されるか否かについてin vitroにて検討を加えた。その結果、FGF-2刺激は濃度依存的に歯根膜細胞よりヘパラン硫酸を遊離させること、その機構の一部としてシンデカン-2のsheddingが関与していることを示唆する結果を得た。また、我々が単離・同定した歯根膜組織特異的プロテオグリカン様タンパクであるヒトPLAP-1遺伝子との相同性を基に、マウスPLAP-1遺伝子を新たに単離・同定した。そしてマウス由来骨芽細胞株MC3T3-E1ならびに当研究室にて樹立したマウス歯根膜組織由来細胞株MPDL22にマウスPLAP-1遺伝子を導入することにより、PLAP-1の機能解析を行った。その結果、PLAP-1遺伝子の導入により上記細胞株のアルカリフォスファターゼ活性の上昇阻害、石灰化ノジュール形成阻害が観察され、PLAP-1が硬組織形成過程を負に制御する細胞外基質様タンパクである可能性を示唆する結果を得た。また、本研究において作製した歯根膜組織由来カスタマイズドDNAチップ(PerioGen Chip)を用いて、FGF-2刺激時に歯根膜細胞内で変動する遺伝子の網羅的解析を開始した。その結果、FGF-2刺激によってその発現が上昇する遺伝子群および下降する遺伝子群が同定され、歯根膜細胞における多様な遺伝子の発現調整がFGF-2刺激によりなされることが示された。 次年度は、1壁性骨欠損あるいは3級根分岐部病変における歯周組織再生誘導に際してのscaffoldの必要性を動物実験により確認すると共に、FGF-2を用いた同再生誘導に有効に機能するscaffoldの選定を計画すると共に、PerioGenチップによる歯根膜組織の遺伝子発現の網羅的解析を継続する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shin-ichi TAKAYAMA: "Effects of basic fibroblast growth factor on human gingival epithelial cells"J.Periodontol.. 73. 1467-1473 (2002)
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[Publications] 村上 伸也: "塩基性線維芽細胞増殖因子による歯周組織再生の試み"大阪大学 歯学雑誌. 2号. 75-84 (2003)