2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病における歯肉上皮細胞と免疫担当細胞の新たな調節相互作用
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14370712
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60159803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 松男 鹿児島大学, 生命科学資源開発研究センター, 助教授 (50332896)
松山 孝司 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40253900)
町頭 三保 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80253897)
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Keywords | 歯周病 / 歯肉上皮細胞 / T細胞性免疫応答 / MHC class II / CTLA4-Ig / B7-1 / RANKL |
Research Abstract |
新たな歯周病の病因メカニズムの解明を目指して,歯周病の発症と進行における歯肉上皮細胞と免疫担当細胞のひとつであるリンパ球との相互作用を検討した。本年度は,歯周病患者の炎症歯肉組織中でのMHC class II分子とB7-1分子の局在を,共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ,歯肉上皮細胞で両分子を発現していることが確認された。さらに,歯肉上皮細胞とT細胞との相互作用を示すために,両細胞の共培養下おけるT細胞の増殖能を[^3H] thymidineの取り込み量で評価した。フォルマリン固定したA.actinomycetemcomitans(ATCC43718;Y4株)を抗原として用いた。その結果,歯肉上皮細胞は,IFNγと抗原存在下で前処理した場合のみT細胞の増殖を誘導したが,血管内皮細胞はいずれの条件下でもT細胞の増殖を誘導しなかった。また,歯肉上皮細胞によるT細胞の増殖は,MHC class II抗体,CTLA4-Igで抑制された。これらの事から,T細胞の増殖は,歯肉上皮細胞のMHC class II分子とB7-1分子を介した増殖であることが明らかとなった。すなわち,歯肉上皮細胞は,T細胞に抗原提示できることが示唆された。また,口腔上皮細胞株におけるRANKLの発現をRT-PCR及びウェスタンブロットで検討した。細胞株としてKB, Ca9-22及び歯肉線維芽細胞を使用し,IL-1とTNFαで3日間刺激を行った。KB, Ca9-22株ともにRANKL遺伝子発現が認められたが,程度は強くなかった。歯肉線維芽細胞では検出されなかった。KBにおいて,RANKLを細胞表面から切断して可溶化するTNFα Converting Enzyme(TACE)の発現は,RT-PCRにおいて確認されたが,その培養上清において可溶化RANKLを蛋白レベルで検出できなかった。
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Research Products
(3 results)