2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50214680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿 一典 京都大学, 化学研究所, 助手 (50303897)
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Keywords | 不斉求核触媒 / エナンチオ選択性 / 基質特異性 / 速度論的分割 / 不斉非対称化 / π-π相互作用 / ピロリジノピリジン |
Research Abstract |
我々は4-ピロリジノピリジン(PPY)を基本骨格とする不斉求核触媒を既に開発し、本触媒がラセミ体アミノアルコールのアシル化による速度論的分割で高いエナンチオ選択性を示すことを既に見出している。本年度はL-プロリン及び4-ヒドロキシ-L-プロリンを出発物質とし、ピロリジン環2位に任意の官能基側鎖を持つPPY型不斉求核触媒及び2位と4位に2つの官能基側鎖を持つPPY型不斉求核触媒の触媒ライブラリー構築を行なった。これらを用いてメソ-1,3-ジオールの不斉非対称化を行なった結果、2位の官能基側鎖が不斉誘導に主要な役割を果たすが、4位の官能基側鎖によりジオールのアシル化の化学種選択性とエナンチオ選択性の両方を制御できることがわかった。2位にL-トリプトファン由来の官能基側鎖を持つ不斉求核触媒から生成するアシルピリジニウム中間体では、インドール環がアシルピリジニウムのピリジン環とface-to -face型のπ-π相互作用を起こし、これが不斉アシル化に重要な役割を果たすことがわかった。 またこれまで合成が困難であったピロリジン環の2位と5位に2つの官能基側鎖をトランス配置で持つPPY型不斉求核触媒の合成ルートを検討した。L-ピログルタミン酸と4-ブロモピリジンを縮合させ、アミドカルボニルの還元、シアニドの付加、加水分解を経て、ピロリジン環の2位と5位にカルボキシル基をトランス配置で持つ光学活性ピロリジノピリジンの合成に成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeo Kawabata: "Remote Chirality Transfer in Nucleophilic Catalysis with N-(4-Pyridinyl)-L-Proline Derivatives"Chirality. 15・1. 71-76 (2003)
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[Publications] Takeo Kawabata: "Preparation and Properties of Chiral 4-Pyrrolidinopyridine (PPY) Analogues with Dual Functional Side Chains"Tetrahedron Letters. 44・8. 1545-1548 (2003)