2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370722
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宍戸 宏造 徳島大学, 薬学部, 教授 (20006349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 孝司 徳島大学, 薬学部, 教授 (00184656)
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Keywords | ポリケタイド / ラソノリドA / 細胞接着誘導阻害 / エナンチオ選択的合成 / 細胞毒性 / 分子内マイケル反応 / ヒドロピラン / 閉環メタセシス |
Research Abstract |
本年度は以下に示す(1)-(3)のような結果を得た。 (1)ラソノリドAのC_1-C_<17>セグメントの高エナンチオ選択的且つ効率的合成法を確立した。この合成ルートは両エナンチオマーを供給できる柔軟性に富むものである。最近、韓国のLee教授がラソノリドAは非天然型エナンチオマーの方が強い細胞毒性活性を示すことを明らかにしたことから、今回我々が開拓した合成法は、細胞接着誘導阻害活性を有する薬物の開発に寄与できるものである。 (2)全合成を行なう上で最も困難となるC_<18>-C_<25>セグメントの合成を、ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン型キラル合成素子の分子特性を活用することで達成した。この方法は、置換ヒドロピラン環の高立体選択的合成法として高い一般性を有しており、有機合成化学的に価値あるものであると考えている。特筆すべきは、C_<23>位への炭素鎖の導入を分子内マイケル反応を用いてジナステレオ選択的に行なった点である。この合成ルートも両エナンチオマーの供給が可能であり、且つ大量供給も容易である。 (3)側鎖となるC_<26>-C_<35>セグメントの合成を行い、ラソノリドAに必要な全てのパーツの構築を完成した。更にC_1-C_<17>セグメントとC_<26>-C_<35>セグメントとのカップリングを行なった後、閉環メタセシスによってC_<17>-C_<18>E-olefin構築を行いマクロリド環形成を検討した。現在のところ、天然物とは逆のZ-olefinが選択的に得られることが明らかになったので、今後、その反転とE選択的閉環メタセシスの検討を行なっていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Kishuku: "Enantiocontrolled Total Synthesis of (+)-Heliannuol D via Palladium-Mediated Heterocyclization"Heterocycles. 61・1. 125-131 (2003)
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[Publications] M.Shindo: "Synthesis of α,α-Dibromo Esters as Precursors of Ynolates"Chem.Pharm.Bull.. 51・4. 477-478 (2003)
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[Publications] T.Deba: "Enantioselective Construction of the C1-C16 Segment of Lasonolide A"Synlett. 2003・10. 1500-1502 (2003)
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[Publications] T.Yoshimura: "Enantiocontrolled synthesis of (+)-curcuquinone and (-)-curcuhydroquinone"ARKIVOC. 2003・8. 247-255 (2003)
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[Publications] T.Kamei: "First Enantioselective Total Synthesis of (-)-Heliannuol C"Tetrahedron Lett.. 44・46. 8505-8507 (2003)
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[Publications] T.Kamei: "An Alternative Total Synthesis of (-)-Heliannuol E"Synlett. 2003・15. 2395-2397 (2003)