2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14370724
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
正木 幸雄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20082977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 彰近 岐阜薬科大学, 講師 (10203126)
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Keywords | π酸触媒 / 高分子ジシアンケテンアセタール / リサイクル / マンニッヒ反応 / ジシアノケテンアセタール / 水相反応 / 3成分連結反応 |
Research Abstract |
tetracyanoethylene(TCNE)のgem-dicyano基をalkoxyl基で置換したdicyanoketene acetal(DCKA)類がπ酸触媒機能を有すること、そのalkoxyl基のω位をstyrene構造で修飾したモノマーから共重合により合成した高分子もπ酸触媒機能を有すること既に見出している。本研究では、alkoxyl基のω位にエーテル結合部位を有するモノマー型DCKAから共重合により高分子の合成を行い、それぞれモノマー型及び高分子修飾体について触媒機能を調査した。 (1)市販の1,1,1-tris(hydroxymethyl)ethaneとTCNEから環状アセタール5-hydroxymethyl-5-methyl-1,3-dioxane型DCKA(1)を合成した。1の側鎖部分(ω位)の水酸基をベンジル化してDCKA(2)を合成した。 (2)diethyl malonateから2-benzyl-1,3-propanediolを合成し、このものとTCNEから5-benzyl-1,3-dioxane型DCKA(3)を合成した。 (3)上記の方法で4-vinylbenzyl基を有するモノマー体(4,5)を調製し、触媒量AIBNの存在下、ethyleneglycol dimethacrylate(EGDMA)と加熱し、高分子修飾体(6,7)を合成した。 (4)このようにして得た側鎖末端位に単分子型(2,3)及び高分子型DCKA(6,7)についてMeCN中及び水中、室温及び加熱条件でのbenzylideneaniline(8)とdimethylketene O-TMS-O-ethyl acetal(9)の2成分Mannich型炭素・炭素結合形成反応における触媒機能を調査した。その結果、MeCN中ではいずれも室温より加熱条件の方が高活性を示した。水中では高分子型(6)を除いて概ね活性を示し、特に、高分子型(7)は加熱より室温条件で高活性を示した。 (5)4種のDCKA(2,3,6,7)についてMeCN中及び水中でのbenzaldehyde(10), aniline(11)とdimethylketene O-TMS-O-ethyl acetal(9)の3成分Mannich反応における触媒機能を調査した。室温では高分子修飾体(6)は低活性であったが、DCKA(2,3)及び高分子修飾体(7)は活性を示し、MeCNに比して水中で高活性を示した。中でも、DCKA(3)及び高分子修飾体(7)は極めて高活性を示した。 (6)高分子修飾体(7)について水中、室温条件下で3成分反応の3回反復再利用を調査したところ触媒活性は維持され、著しい低下は見られなかった。 (7)二酸化炭素超臨界流体中での活用が期待できるDCKA(2,3)のperfluoro基修飾触媒を合成する目的で、高フッ素含有修飾基(BrCH_2C_6H_4(C_<10>F_<21>)_2)の合成を検討している。
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