2002 Fiscal Year Annual Research Report
炎症病態における組織破壊・修復・再生の機序解明とリモデリングの制御に関する研究
Project/Area Number |
14370738
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 和雄 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20006357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 研治 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00312596)
平澤 典保 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80181155)
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Keywords | 気道上皮細胞 / 好酸球 / ICAM-1 / ケモカイン / 顆粒蛋白質 / RNase A / NF-κB |
Research Abstract |
気道組織破壊に関与する好中球・好酸球の浸潤・活性化機構を明らかにするために、ヒト気道上皮細胞株NCI-H292細胞を用いて、接着分子及びケモカインの産生制御機構について解析した。NCI-H292細胞を12-tetradecanoyl phorbol 13-acetate (TPA)あるいはTNF-αで刺激すると接着分子ICAM-1の発現、及び好中球に対するケモカインinterleukin-8 (IL-8)の産生が亢進したが、好酸球に対するケモカインeotaxinの産生は見られなかった。TPAによるICAM-1及びIL-8の産生にはNF-κBが関与していること、また、p44/42 MAP kinaseがTPAによるNF-κBの活性化を負に制御していることを示唆した。さらに、ステロイド性抗炎症薬によるICAM-1発現抑制作用を解析したところ、気道上皮細胞は他の細胞とは異なり、容易にステロイド性抗炎症薬の抑制作用が減弱することを見いだした。その原因として、グルココルチコイド受容体のプロテアソームでの分解亢進が示唆された。 また、好酸球が組織破壊に関与しているかどうかを明らかにするために、ラット好酸球顆粒蛋白質eosinophil ribonuclease (EAR)の機能について解析した。シグナルペプチドを含む前駆体と含まない成熟体のリコンビナントEAR-1及びEAR-2を調製し、その抗菌活性及びRNase A活性について解析した。その結果、シグナルペプチドをもつEAR-1及びEAR-2の前駆体にはRNase A活性はみられなかったが、成熟体にはRNase A活性があること、抗菌活性はシグナルペプチドの有無に関わらず強く示すことが明らかになった。
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