2004 Fiscal Year Annual Research Report
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14370744
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 正知 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80190297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 綾子 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (90272484)
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Keywords | GATA因子 / GATA-4 / GATA-6 / DNA結合蛋白 / 転写制御因子 / 翻訳制御 |
Research Abstract |
(1)P19CL6細胞が心筋様細胞に分化する系を用い、GATA-4遺伝子上流の配列中で保存されたSp1結合配列とE-box配列の役割、またそれらのモチーフに結合するタンパクを解析することを目指した。その結果、少なくともE-box配列にはdHANDが結合することが示唆された。P19CL6細胞においてGATA-4遺伝子上流配列のどの部分が分化誘導時に働いているのかを明らかにするため、安定導入型のレポータープラスミドを構築した。 (2)GATA-6がジブチリルcAMPにより分解誘導される経路について、GATA-6のどの部分が分解に必要なのかを明らかにするため、Aキナーゼによる推定リン酸化部位の変異体やC末側にある分解シグナルとなりうるPEST様配列の欠失体をCHO-K1細胞に安定発現させた。その結果、いずれも分解誘導がかかるため、両部位が分解に必須の配列ではなく、他の細胞内因子がcAMP依存の情報を受取りそれが引き金となりGATA-6が分解されることが示唆された。また、内在性のGC-box結合蛋白質は分解されないため、GATA-6に特異的な分解であることが示された。 (3)GATA-6は翻訳時、N末側にあるPEST様配列が分解シグナルとしてではなくL型翻訳産物の安定化に働くので、その分子レベルでの解析を目指し、PEST様配列に変異導入を行ない翻訳のされ方を検討した。後半部分のセリン残基のクラスターをアラニン残基に置換した結果、セリン残基のクラスターは重要ではないことが明かとなった。一方、前半部分のプロリン残基に富んだ部分のプロリン、セリン、スレオニン残基を個々にまたは同時にアラニン残基に置換すると、いずれの場合にも翻訳産物の分子量の低下が見られ、前半部分が全体として役割を果している可能性が示唆された。
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