2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規オキシルラジカル消去ファーマコフォアの創製と医薬品開発への応用
Project/Area Number |
14370763
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
宮田 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50114674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 孝禎 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手
幸田 光復 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60124286)
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Keywords | オキシルラジカル / ラジカル消去剤 / 活性酸素種 / ファーマコフォア / エダラボン / ESR / フラーレン / トコフェロール |
Research Abstract |
活性酸素が関与する疾病の治療薬の開発を目的として、活性酸素消去能力を有する新規化合物の創製研究を行った。その結果、1)ポリエーテル置換基を有する新規水溶性フラーレン誘導体の合成に成功した。また、これらの水溶性フラーレン誘導体の活性酸素消去作用を解析し、ポリエーテル側鎖と活性酸素消去能との相関を明らかにした。現在、水溶性フラーレン類による、ヒドロキシルラジカルが引き起こすDNA鎖切断に対する防御作用、および、過酸化水素の細胞毒性に対する防御作用を解析中である。2)エダラボンは、活性酸素消去剤として世界で初めて脳梗塞治療薬として認可された化合物であるが、重篤な腎障害が問題になっている。構造修飾により、副作用の少ない化合物を開発することを目的として、誘導体の合成を行った。合成した10種類の化合物についてESR法を用いて活性酸素消去能を評価し、置換基の電子的効果や立体障害の大きさと消去能との相関を明らかにした。3)トコフェロールの異性体の一つγ-トコフェロールがNOなどの含窒素活性酸素種のトラップ作用を示すことが報告されている。γ-トコフェロールの活性酸素種消去作用を明らかにする目的で、標品となる5-ニトロ-γ-トコフェロールの合成を行った。5-ニトロ-γ-トコフェロールの合成はすでに報告されているが、実用的な合成法とは言えない。今年度、種々の条件で合成法を検討した結果、緩和なニトロソ化剤を用いることにより、実用的な合成を達成した。現在、このようにして合成した5-ニトロ-γ-トコフェロールおよびγ-トコフェロールの酸化体を用いて、γ-トコフェロールの活性酸素消去能を解析中である。今後、これらの化合物の活性酸素消去能を総合的に評価する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hiroki Tsumoto: "Preparation of deuterated methyl and dimethyl substituted nicotinoylating agents for derivatization of N-terminal of protein"Chem.Pharm.Bull. 51(12). 1399-1401 (2003)
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[Publications] Ken-ichi Saeki: "Activation of human Ah receptor by aza-polycyclic aromatic hydrocarbons and their halogenated derivatives"Biol.Pharm.Bull.. 26(4). 448-452 (2003)
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[Publications] Li, Linxiang: "Signal enhancement in ESR spin-trapping for hydroxyl radicals"Analytical Sciences. 19(7). 1083-1084 (2003)
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[Publications] Suzuki, Takayoshi: "Novel histone deacetylase inhibitors : design, Synthesis, enzyme inhibition, and binding mode study of SAHA-Based non-hydroxamates"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 13(24). 4321-4326 (2003)
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[Publications] Yoko Yamakoshi: "Active Oxygen Species Generated from Photoexcited Fullerene (C60) as Potential Medicines : O_2^- versus^1O_2"Journal of the American Chemical Society. 125(42). 12803-12809 (2003)
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[Publications] Hiroshi Tokiwa: "Structural activity relationship between Salmonella-mutagenicity and nitro-orientation of nitroazaphenanthrenes"Chemico-Biological Interactions. 146(1). 19-25 (2003)
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[Publications] Yoko Kai: "[60]Fullerene as a novel photoinduced antibiotic"Fullerenes, Nanotubes, and Carbon Nanostructures. 11(1). 79-87 (2003)