2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア由来活性酸素による障害発現におけるメタロチオネイの役割
Project/Area Number |
14370767
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
佐藤 政男 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (20045743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 鉄人 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00172049)
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Keywords | ミトコンドリア / メタロチオネイン / 肥満 / レプチン / 白色脂肪組織 |
Research Abstract |
近年はメタボリックシンドロームとよばれる生活習慣病が増大している。これらは遺伝的素因に環境からのストレスが加わった多因子病であり、その関与要因を明らかにし防止の方策を探る事が必要である.生活習慣病の発症、進展には細胞内で産生される活性酸素の関与が示唆される。細胞内ミトコンドリアにおける呼吸によりが活性酸素となるとされ、活性酸素産生が、加齢や寿命などの生命の基本、更に退行性疾患に関連するがその詳細は明らかではない。 本年度は、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生が問題となる高脂肪摂取時の肥満をメタロチオネイン(MT)が抑制する機構について検討した。我々は高脂肪摂取をさせた時、野性型マウスは肥満がおこらないが、MT欠損マウスは肥満になる事を見出した。その機序解明のため以下の検討をおこなった。まず、MT欠損マウスに3週間高脂肪食を摂取させても体重変化はみられないが、白色脂肪組織重量の増加による肥満が顕性化し始めていることが示唆された。野性型マウスでは脂肪組織増加は見られなかった。野性型-およびMT欠損マウスの白色脂肪組織中の食欲抑制ホルモンのレプチンmRNA発現の検出を行ったが、高脂肪食群、正常食群の両群で、有意な変化はみられなかった。血漿レプチン濃度は、高脂肪食摂取時のMT欠損マウスでは、有意な上昇が見られた。この上昇は白色脂肪組織重量の増加によるものと考えられる。肥満初期はレプチンの発現量の変化ではなく、脂肪細胞がレプチンを分泌するが、増殖して脂肪組織量の増大した状態になっている事を示した。一方、脂肪を細胞へ取り込む酵素や酸化酵素等は野性型とMT欠損マウスでは差異はみられなかった。さらに、レプチンをマウスに投与すると、野性型マウスはレプチン受容体mRNA発現増大がみられるが、MT欠損マウスでは応答性がみられず、このことがレプチンの食欲抑制性を示さず肥満に導く可能性を示した。
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Research Products
(2 results)