2003 Fiscal Year Annual Research Report
クリニカル・インディケーターの施設間比較による診療の質評価に関する研究
Project/Area Number |
14370772
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 助教授 (60213485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
寺崎 仁 日本大学, 医学部, 講師 (90227512)
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
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Keywords | クリニカルインディケータ / 医療の質評価 / 症例データの標準化 / Disease Staging / DPC |
Research Abstract |
本研究は、(1)臨床的に均質な患者群の設定、(2)クリニカル・インディケーターの設定、(3)協力病院からの実診療データの収集、(4)クリニカルインディケーター等の施設間比較、(5)分析と考察の5段階に分かれる。 平成15年度は、(1)については、研究の方法論を明確にするため、対象を胃癌、直腸癌、胆石症、乳癌の4疾患に絞って検討することとした。 (2)については諸外国のインディケータの事例の収集を行い、とくにオーストラリアのインディケータについて全訳して検討するとともに、わが国の1100病院を対象に、クリニカル・インディケータの把握状況および使用している具体的なインディケータに関する調査を実施した。 (3)については、平成14年度に収集した診療情報、医療費情報をさまざまな角度から分析した。とくにデータの精度チェックについて、昨年度提案された主診断名と手術名の不一致情報を用いたエラー情報のスクリーニング手法について、胃癌、直腸癌、胆石症について具体的な分析を行、精査が必要な症例データのスクリーニング手法について一定の成果が得られている。 (4)については、胃癌、直腸癌、胆石症について、収集された症例データに含まれる主診断名、副診断名の情報から、術後合併症をロジカルに判定することを試みた。結果を班員の臨床医による診療録の確認から得られた術後合併症の状況と比較対照し、判定精度の検討を行っている。現時点では両者の一致率は低いが、その理由として考えられる症例データにおける副診断名の精度、診療録見直し時における臨床医の確認漏れなどについて、さらに検証を進めることを検討している。 術後合併症は、その発生をできるだけ減少させることが医療費逓減の観点からも重要である。研究班ではそのような動機付けを与える支払い制度についても議論がなされており、その結果は、DPCの合併症有無の分岐ロジックにも反映し得る重要な知見と考えられる。
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