2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子療法と再生療法を併用した拡張型心筋症治療の開発
Project/Area Number |
14370774
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河田 登美枝 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (00186107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (10125768)
仲澤 幹雄 新潟大学, 医学部, 教授 (80143759)
豊岡 照彦 東京大学, 医学部, 教授 (00146151)
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Keywords | 再生医療 / 重症心不全 / 骨格筋芽細胞 / 心筋症ハムスター / ミオシン重鎖 / コネキシン43 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
拡張型心筋症(DCM)に代表される重症心不全の治療法の確立は循環器疾患領域の重要な使命である。心筋障害を起こした細胞を正常化することは遺伝子治療でも困難である為、心筋に分化し得る細胞として骨格筋芽細胞をDCMハムスターのTO-2に移植する再生療法を試みた。 方法および結果:DAPIにより核ラベルしたG-ハムスターの培養骨格筋芽細胞を開胸下にてTO-2の心筋に移植する。経時的に超音波診断装置にて収縮機能を、実験終了時に、カテーテル法にて心血行動態を測定し、種々のパラメーターを非移植群と比較したが、収縮機能および心血行動態の改善は認められなかった。心臓を摘出後、各種病理組織学的観察を行い、移植を受けた心筋細胞のアポトーシスや繊維化の病理所見を検討したが、移植群と非移植群に明確な差は認められなかった。細胞の生着、分化を確認するためにδ-SGおよび速筋型(slow)および遅筋型(fast)ミオシン重鎖(MHC)、connexin43の発現を観察した。移植5週後、移植群ではDAPIにより核染色された心筋細胞が認められ、それらの細胞ではδ-SGの発現が認められた。この事により移植した筋芽細胞が心筋に生着している事が明らかになった。DAPIでラベルされた細胞でδ-SGを発現している細胞の66%にfast-MHCが、23%にslow-MHCが発現した。更にδ-SGを発現している細胞の2.3%にconnexin43の発現が介在板にて認められた。これらの細胞ではfastではなくslow-MHCが発現していた。移植15週後でもδ-SGの発現は認められた。これらの細胞の80%にslow-MHCが発現し、fast-MHCはほとんど発現しなかった。5週後と同様、介在板にconnexin43が発現していた。以上の結果は移植した速筋型の骨格筋芽細胞は心筋に近い遅筋型にて長期間生着する事が示唆される。この方法は拡張型心筋症の治療開発に貢献できると考える。
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Research Products
(7 results)