2002 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞抗アポトーシスシグナルの分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
14370782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30240849)
小山 豊 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00215435)
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
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Keywords | ミクログリア / アストロサイト / アポトーシス / 過酸化水素 / cyclic GMP / ミトコンドリア / プロテインキナーゼ / 細胞死 |
Research Abstract |
グリア細胞は、神経細胞の支持細胞として、また神経細胞との相互作用を通して従来考えられていた以上により積極的に脳機能発現に関与していると考えられる。また、種々の脳障害の病因と病態にグリア細胞の機能変化が関わっている可能性が示されている。我々はグリア細胞の機能制御の面から神経細胞死の保護を検討する目的で、培養グリア細胞のアポトーシスモデル系に対する神経科学的研究をし(1)栄養因子を介する抗アポトーシス作用、(2)ミトコンドリアpermeability transition pore(PTP)に対するcyclic GMP依存性protein kinase(PKG)の抑制作用を発見した。本年度の計画は、PTP構成成分の活性に対するcyclic GMP/PKGの作用を解析し、PKGのターゲット分子候補の同定を進めることで、以下のような結果を得た。 (1)脳ミトコンドリアのPTP活性が非常に低いことが示され、詳細な検討を進めることがかなり困難であることが判明した。 (2)肝臓から高い収率でミトコンドリアを調製する方法を確立した。 (3)肝臓ミトコンドリアはCa^<2+>により著明な膨化を示した。肝臓ミトコンドリアのCa^<2+>依存性膨化はシクロスポリンにより抑制された。 (4)肝臓ミトコンドリアのCa^<2+>依存性膨化は、脳の場合と異なり、cyclic GMPや、細胞抽出物+cyclic GMPにより影響を受けなかった。このことは細胞抽出物のプロテインキナーゼ活性に問題がある可能性が残されているが、脳と肝臓のミトコンドリアPTPの違いを示唆している。
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