2005 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞抗アポトーシスシグナルの分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
14370782
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
小山 豊 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00215435)
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30240849)
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Keywords | アストロサイト / 神経細胞 / 一酸化窒素(NO) / ミトコンドリア / Na^+ / Ca^<2+>交換系 / T-817 / SEA0400 / 細胞死 |
Research Abstract |
グリア細胞は、神経細胞の支持細胞としてだけでなく、神経細胞との相互作用を通して従来考えられていた以上に、より積極的に脳機能の調節に関与している。また、種々の脳障害の病因と病態にグリア細胞の機能変化が関わっていることが示されている。本研究ではグリア細胞の機能制御の面から神経細胞死の保護を検討する目的で細胞死制御の分子メカニズムを追究し、以下のような結果を得た。 1.培養アストロサイト一酸化窒素(NO)障害におけるミトコンドリア機能不全の分子メカニズム 培養アストロサイトにおいてNOによりミトコンドリア機能不全を伴ったアポトーシスが引き起こされることを示した。また、この過程にMAPキナーゼシグナルが関与していることを明らかにした。さらに、ラジカル消去薬の作用解析から、NO障害のシグナルとしてラジカルの重要性が示された。 2.培養アストロサイトNO障害に対するSEA0400の保護作用 培養アストロサイトのNO障害がNa^+/Ca^<2+>交換系の選択的阻害薬SEA0400により抑制されることを見出した。この作用には、培養ミクログリアの場合と異なり、小胞体ストレス経路の関与は見られなかった。 3.培養神経細胞のNO障害におけるミトコンドリア機能不全の関与 培養神経細胞のNOによるアポトーシス様細胞死がミトコンドリア機能不全を伴っていること、またこの細胞死に培養ミクログリアで見られた小胞体ストレスシグナルが関わっていないことを明らかにした。さらに、脳機能改善薬として開発中のT-817がこの細胞障害に対して保護作用を示すことを明らかにした。
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Research Products
(5 results)