2004 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植の薬理ゲノミクス研究に基づく合理的免疫抑制療法の開発
Project/Area Number |
14370787
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 邦彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80327717)
島津 元秀 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70124948)
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
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Keywords | 免疫抑制剤 / 心移植 / 肝移植 / 小腸移植 / バイオマーカー / DNAマイクロアレイ / プロテインチップ |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、(1)ラット心移植モデルにおいて、拒絶反応および免疫抑制剤の薬効に関する遺伝子マーカーの治療学的・薬理学的意義を明らかにした。(2)ラット肝移植モデルにおいて、新規バイオマーカーを見出した。(3)早期拒絶マーカー候補タンパク質を同定した。 ラット心移植モデル:前年度において得られた4種の遺伝子マーカーに関して、シクロスポリンの用量-血中濃度-遺伝子発現量の関係を検討した。シクロスポリンの血中濃度と各遺伝子の発現量との関係について薬力学的解析を行ったところ、両者の関係はシグモイドEmaxモデルにより良好に記述できることが明らかとなった。これらの遺伝子マーカーはインターフェロンγの発現に関与する転写因子や抗原提示に関与するプロテアソームタンパクなどであり、免疫抑制剤の薬効マーカーとして有用と考えられる。 ラット肝移植モデル:非拒絶群は同系統ラット間の移植、拒絶群と免疫抑制剤投与群(シクロスポリンあるいはタクロリムス投与)では異系統ラット間の移植を行った。血液中の遺伝子発現をcDNAマイクロアレイにて網羅的に解析し候補遺伝子の探索を行い、さらに定量的PCR法により発現量変化の確認を行った。急性拒絶反応により発現が大きく誘導され、かつ免疫抑制剤シクロスポリンあるいはタクロリムスの投与によりその発現誘導が完全に抑制される4種の遺伝子を発見した。 ラット小腸移植モデル:前年度に得られた分子量:10.1、13.0、および14.8kDaに相当する早期拒絶マーカー候補タンパク質の精製条件をプロテインチップにより確定した。この条件を用いて拒絶群の血漿から各タンパク質をSDS-PAGEにて分離・精製し、MALDI-PSD-MSにより各タンパク質を同定することに成功した。
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Research Products
(6 results)