2004 Fiscal Year Annual Research Report
リポ蛋白の酸化変性と血管内皮の信号応答に関する研究
Project/Area Number |
14370792
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岡田 正彦 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30018915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松戸 隆之 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80209577)
三井田 孝 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80260545)
大林 光念 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (90361899)
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Keywords | 酸化LDL / VCAM-1 / mRNA / 内皮細胞 / IL-1 / 立体構造予測 / αヘリックス / 脂質一重膜 |
Research Abstract |
1 糖鎖配列の決定 nativeLDLおよび酸化LDLの糖鎖について各種切断酵素を用いた解析を行い、構造を決定した。その結果、nativeLDLと酸化LDLの両者で差は認められなかった。 2 臨床的意義についての検討 一連のメカニズムに関わる物質の中で臨床検査として測定可能なものの存在について検討した。その結果、preβ1-HDL、protein C、VLDL-TGなどの有用性を見出すことができた。 3 LDL崩壊機序の確立および総括 LDLの酸化・崩壊により多種類の非特異的たんぱく質が結合することをつきとめたことから、酸化LDLをFPLCで精製して内皮細胞に作用させる方法を確立した。また反応性の高いIL-1を濃度と時間を変えながら作用させ、VCAM-1mRNAが発現する最適条件を検討した。さらにVCAM-1アンチセンスを用いたハイブリダイゼーションで、当該バンドが安定して確認できる条件を探った。その結果、IL-1および精製した酸化LDLを内皮細胞に作用させることで、VCAM-1mRNAが確かに増加することを確認できた。 4 その他(アポB立体構造の予測) LDL表面は厚さが10Åの脂質一重膜となっている。この内部でアポBがαヘリックスを構成し、束状になっていると考えられる。そこで、二つのαヘリックスが近接して存在していると仮定し、アミノ酸10個ずつのあらゆる組合せについて、疎水性と極性の二つのパラメータを使い両者が引き合う力(F)を計算した。その結果、アミノ酸配列がアポBの膜内でαヘリックスの束を作る領域が5つあることが分かった。これは、従来の生化学的な分析結果ともよく一致しており、方法の正しさが証明できたものと考えている。
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Research Products
(7 results)