2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における安全な入浴介護と水中運動療法のための基礎的研究
Project/Area Number |
14370805
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樗木 晶子 九州大学, 医学部, 教授 (60216497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 昇 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (00146797)
長家 智子 九州大学, 医学部, 助教授 (70207976)
長弘 千恵 九州大学, 医学部, 教授 (00289498)
高杉 紳一郎 九州大学, 九州大学病院, 助手 (40253447)
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Keywords | 水中運動 / 筋電図 / 高齢者 / リハビリテーション |
Research Abstract |
【経過】本年度は、高齢者に対する水中運動の応用のための基礎資料を得るために、水中歩行時の筋活動について検討した。 【目的】水中歩行時の下肢筋活動を陸上後方歩行時と比較することによって、同歩行の特性を筋電図学的に明らかにすることを目的とした。 【被験者】健常成人男性6名(平均23.3歳) 【方法】九州大学病院リハビリテーション部に設置されている水中トレッドミル(フローミル;水流速度が任意に設定可能な回流水槽内にトレッドミルを設置した運動負荷装置)および陸上トレッドミルを用いて、各条件下での歩行試験を実施し、各歩行中の筋電図を測定した。 【被験筋】右側の中殿筋、大腿直筋、内側広筋、大腿二頭筋、前脛骨筋および腓腹筋の6筋であった。 【解析】筋活動量を定量化するために、積分筋電図解析を行った。これらの歩行試験とは別に、陸上で測定された各被験筋からのMVC(最大随意収縮)の積分値に対する相対値(%)である%MVCを算出することによって、各速度での水中および陸上歩行時の筋活動の比較検討を行った。 【結果】 1)水流の有無を問わず、水中歩行時の各被験筋からの筋放電量は、陸上歩行時と比較して有意に低かった。 2)水流ありの水中歩行時の筋活動は、水流なしの水中歩行と比較して大きい傾向がみられた。 【考察】水中歩行時の減少した筋活動は、水の物理的特性である浮力の影響に起因すると考えられた。このことから、水中歩行は、水温による効果に加え、浮力の影響によって、術後患者および高齢者などのような、骨・関節にかかるメカニカルストレスに耐えることが困難な集団に対するリハビリテーションおよびレクリエーション運動として理想的な運動様式であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 樗木晶子, 長弘千恵, 長家智子, 他: "入浴中の循環動態の変化に関する基礎的研究-高齢者を対象に-"日本循環器予防学会誌. 39. 9-14 (2004)
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[Publications] 長家智子, 樗木晶子, 長弘千恵, 他: "安全な入浴法開発のための基礎的研究"九大保健学科紀要. 2. 17-24 (2003)
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[Publications] 臼井真, 樗木晶子, 小池城司, 他: "塩酸ベプリジルの発作性心房粗細動における洞調律維持効果と心機能に及ぼす影響"Therapeutic Res. 24. 24-27 (2003)
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[Publications] 門田欣也, 小池城司, 樗木晶子, 他: "心サルコイドーシスの経過中、治療抵抗性の心室頻拍を繰り返し、死亡に至った例"心臓. 35. 56-61 (2003)
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[Publications] 樗木晶子, 不整脈薬物療法研究会: "心筋梗塞と不整脈:多施設共同調査-1,098例での検討-"心電図. 23. 75-89 (2003)
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[Publications] 樗木晶子, 不整脈薬物療法研究会: "糖代謝と不整脈-1,098例の心筋梗塞患者における検討"心電図. 22. 633-639 (2002)
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[Publications] 樗木晶子: "新不整脈学 杉本恒明監修、井上博編集"南江堂. 6 (2003)