2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本・韓国・フィンランドにおける地域精神保健従事者の人権擁護意識の比較とその開発
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14370813
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
羽山 由美子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (10124405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 泰子 群馬大学, 医学部・保健学科, 教授 (50248861)
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Keywords | 人権擁護 / アドボカシー / 地域精神保健 / 韓国 / フィンランド / 倫理 / 患者権利法 / 精神科医療 |
Research Abstract |
平成15年度は、本研究計画の第2年目にあたり、昨年に引き続き、日本・韓国・フィンランドの3カ国における人権擁護の制度に関する資料収集、および、看護職を中心とした精神保健従事者の人権擁護意識に関する実態調査を兼ねたセミナー開催、意識調査実施が主な課題であった。 1.資料収集に関しては、フィンランドからはヴェリメッキ准教授(タンペレ大学)、韓国からはキム助教授(ヨンセイ大学)に研究協力を依頼し、それぞれの国の看護領域におけるオンブッズマン制度について調べた。韓国ではちょうど平成15年度から韓国看護協会が主体となり、各病院にオンブッズマンを設置する動きであるとのことであった。その運用については今後も調べていく必要がある。フィンランドのオンブッズマン制度については、雑誌「インターナショナル・ナーシング・レビュー」にヴェリメッキ准教授が発表する機会を得た。 2.精神障害者の人権擁護セミナーの開催 1)2003年3月20-21日、ソウルにて開催 フィンランドから3名、日本から1名の発表、他韓国勢 2)2003年5月14日、フィンランド、タンペレ市にて開催 日本から3名、韓国から1名の発表、他フィンランド勢 3)2003年11月29日、東京にて開催、日本人のみ、5名の発表者 各回を通じて、問題意識の高まりが認められるものの、それぞれのアドボケートとしての役割の不明確さや、制度上のあいまいさがあるために、弁護士が第三者機関でアドボケート役割をとるような立場上の明確さに欠ける点が明らかになった。院内で看護職がアドボケートとなるときのメリット・デメリットがある。 3.意識調査に関しては、日本側で、平成15年7月に心神喪失者等医療観察法が公布され、人権擁護意識に関する調査企画にあたり新たな課題(触法精神障害者の人権擁護のあり方)が出てきた。そこで、韓国・フィンランドの両国における触法精神障害者制度について若干の情報収集を行うとともに、日本の制度のモデルとなった英国の制度についての情報収集を行った。また、米国の精神障害者人権擁護制度の情報収集もあわせて行った。 3ヶ国における意識調査の実施は、平成16年度夏以降に延期し、さらに情報収集を継続して平成16年春-夏に調査票を作成するように計画の見直しを行った。
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Research Products
(1 results)