2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児における癌性疼痛緩和のための非薬理学的援助方法の開発
Project/Area Number |
14370818
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Research Institution | College of Nursing Art & Science, Hyogo |
Principal Investigator |
片田 範子 兵庫県立看護大学, 看護学部, 教授 (80152677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 和美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (60364048)
小迫 幸恵 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (20347537)
勝田 仁美 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (00254475)
三宅 一代 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助手 (50364047)
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Keywords | 小児 / 癌性疼痛 / 疼痛緩和 / 非薬理学的方法 / 足浴 / 背部マッサージ / 睡眠 |
Research Abstract |
平成14年度は、癌性疼痛をもつ子どもに行われている非薬理学的療法について文献検討を行った。その結果、ヴァリテーション、リラクゼーションなど非薬理学的療法は、27の療法があり、小児もしくは癌性疼痛に関する有効文献24件について再度検討していった。 この14年度の結果を元に、非薬理学的方法として「背部マッサージ」「足浴」の介入方法を検討することにした。また、その評価指標として痛みに関連する身体症状などを考え、睡眠・ストレスなどの文献検討を行った。その結果、がんをもつ子どもに侵襲が少なく、簡易であるなどを考慮し、アクティウォッチ・唾液中コルチゾール・放射温度計などの量的データと看護師や子ども・家族からの質的データを指標とすることとした。しかし今までにがんをもつ子どもにおいてコルチゾール・アクティウォッチを用いた研究が稀少であり、介入方法の効果や評価指標の検討も行う必要があることが明らかになった。これを先行研究で研究協力頂いた癌性疼痛緩和に関心の高い小児専門病院3施設、4病棟の看護師とワークショップを行い、介入方法の修正を行った。その介入方法を元に、ワークショップに参加して頂いた看護師が勤務する病棟に入院しており、癌性疼痛があり薬物療法が行われている子どもを対象に、介入研究を行った。研究協力が得られたのは、足浴5例、背部マッサージ1例であった。対象数を増やすため、研究期間を延長したが、予定した対象数を得られなかった。対象者数から、量的な解析を行うのは困難となったため、各施設の学外共同研究者とのワークショップで、意見交換を行い、実際の介入場面の描写や介入の効果について検討した。現在は1事例毎に質的データと睡眠指標・ストレス指標等を用いて、綿密に分析している最中である。現時点で言えることは、がんをもつ子どもにとって、看護師が行う快刺激の介入は、子どもと看護師の主観的評価では、有効であった。副次的効果として、看護師のケアに対する考え方の変容や子どもとの距離が近づく、子どもにとっての睡眠の意味など、様々な効果をもたらしたと言える。今後、科学的根拠を含めた内容を盛り込み、報告書としてまとめる予定である。
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