2003 Fiscal Year Annual Research Report
W杯サッカー日韓共同開催をめぐる地域変動:環境・NPO・ネットワークに関連して
Project/Area Number |
14380005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 和則 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70149904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 康行 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 専任講師 (50339959)
前田 和司 北海道教育大学, 教育学部・旭川校, 助教授 (30229299)
柳沢 和雄 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (60191152)
甲斐 健人 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (50272183)
矢崎 弥 東京理科大学, 理学部, 助教授 (70211612)
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Keywords | メディア・イベント / スポーツ・イベント / ワールドカップ / 生活論的視点 / 地域社会変動 |
Research Abstract |
メディア・イベント論、スポーツ・イベント論の領域における社会学的研究は、「象徴レベルにおける社会関係」に焦点を置く社会学研究(社会学プロパー)とスポーツ振興の,イデオロギーを負荷としてもつ体育領域の社会学研究がすみ分けて蓄積されてきたといってよい。本研究は、環境社会学領域で錬成されてきた生活論的視点を活かしてW杯というビッグイベントが引き起こす地域社会変動に迫ることが課題であった。 事例地は、札幌・仙台・鹿島、大阪、済州島(韓国)と大きく地理的範域を拡大しているが、上記の「視点」は共同研究者全員が共有しているものである。メディア論で論じられるイベントの象徴的機能を受容する住民という視座を「主体性」重視へと転換するために、象徴レベルと生活レベルとの統合をモノグラフィックな方法で果たすことを考えた。 結論的に言えば、W杯は地域社会変動の制度的側面に「機能」するものとは言えず、都市計画の構想段階で、象徴的機能を果たすことが強く望まれて誘致されたものである。鹿島の事例に顕著であるが、生活レベルでの課題と象徴レベルでの課題の接点としてW杯が登場することはなかったが、上からの「公共性」としてのみこうした巨大スポーツ・イベントをみることはできない。鈴木の研究で明らかとなったように、このメディア・イベントは民族的障壁を生活レベルで切り崩す希有な「場」を提供したことにも注目しなくてはならないだろう。
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Research Products
(1 results)