2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンピューターグラフィックスを用いたスポーツ認知トレーニングの開発
Project/Area Number |
14380014
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 源信 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (20108202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 泰則 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (40240759)
須田 和裕 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (70192135)
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Keywords | コンピューターグラフィックス / 認知トレーニング / テニスサーブ / 予測判断方略 / アイマークレコーダー |
Research Abstract |
本研究は、テニス場面のシミュレーションシステムの構築へ向けた試みとして行っているものであり、今年度は前年度に購入したハイスピードカメラでテニスのサーブ動作を撮影し、3次元座標値を算出しCG映像提示システムを試作すること、また作成したCG映像を評価するためにVTR映像とCG映像提示下における予測判断方略(注視活動、判断タイミング、コース予測)を比較検討することを目的とした。 CG映像作成においては、高速度カメラにより撮影したサーブ動作について、ビデオ動作解析ソフトを用いてディジタイジング作業により3次元座標値の算出を行った。さらにCG作成専用ソフトで、CGモデルの骨組みとなるスケルトンモデルに各関節の定義を行い、変形させたポリゴンを用いて肉付け作業をした。そしてCG映像にVTR映像と同じ背景画像を挿入し、またカメラ位置を同等に設定することでVTR映像により近似するようなCG映像を作成した。 また作成したCG映像を評価するためにVTR映像との予測判断方略の比較を行った結果、TR、CG両映像では、ともに注視活動、判断タイミング、コース予測が類似していた。 そこで特に注視活動に注目し、視線配置分析を行ったところ、サーブのコース予測を行う際にCG映像では、予測に必要な情報を得るための箇所(身体とトスアップしたボールの中間)に多く視線が配置されていた。また注視活動を詳細に見るために、テニスサーブ動作を時系列として4つのフェーズに分け視線配置分析を行ったところ、VTR映像ではトスアップしたボールの動きに合わせて視線を移動するのに対し、CG映像では、サーブの構えの段階から終始、「身体とトスアップしたボールの中間」に多くの視線の配置が行われており、また視線の移動幅もVTR映像に比べて少ないものであった。 これらの結果から今年度作成したCG映像は注視活動に影響を与える映像であることが推察され、最終年度はこのような点を検討したうえで、CG映像をより改良して認知トレーニングの実験を行う予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 井田博史, 楠堀誠司, 福原和伸, 石井源信, 赤居正美: "順運動学計算によりモデリングしたテニスサーブに対する認知的評価"日本機械学会スポーツ工学シンポジウム講演論文集. No.03-12. 171-176 (2003)
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[Publications] 福原和伸, 楠堀誠司, 井田博史, 滝谷修, 石井源信: "テニス動作におけるCG映像提示システムの試作と評価"日本機械学会スポーツ工学シンポジウム講演論文集. No.03-12. 177-181 (2003)
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[Publications] Ida H., Kusubori S., Ishii M.: "Racket arm mechanism during soft-tennis smash in match"Book of bAstracts of International Society of Biomechanics XIXth Conaress. 177 (2003)
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[Publications] 井田博史, 楠堀誠司, 中村倫子, 須田和裕, 石井源信: "ソフトテニスのスマッシュ動作におけるラケット腕の力学的動態-スタンディングスマッシュとジャンピングスマッシュの比較-"バイオメカニクス研究. 7(1). 17-29 (2003)