2003 Fiscal Year Annual Research Report
運動誘発適応の分子生物学的解析が可能な作業測定法開発とそれによる基礎知見-血流遮断閾値を基準とした筋張力を使用した負荷法-
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14380021
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
進藤 宗洋 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (30078539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 耕路 九州大学, 農学部, 教授 (60158186)
黒岩 中 福岡大学, 医学部, 助教授 (30122691)
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
庄野 菜穂子 佐賀大学, 医学部, 講師 (60223674)
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Keywords | 作業筋虚血閾値 / 筋張力 / LTトレーニング / 筋線維 / 毛細血管 / 脂質代謝 / 免疫能 / 慢性運動導出性適応能力 |
Research Abstract |
昨年度は静(持続)的筋収縮法について、(1)膝伸展運動および脚伸展運動における間欠式多段階持続的筋収縮法によって、筋張力に伴う筋内圧が主動筋への虚血状態を生起する筋力(作業筋虚血閾値working muscular ischemic threshold : WMIT)を決定できること。(2)WMITの最大随意筋力に対する相対値は個々人で異なること。(3)WMITを基準にした相対的運動強度(%WMIT)が、運動時エネルギー供給過程の有酸素性と無酸素性、あるいは各筋線維型の動員順序を規定し、規則的なトレーニング適応(慢性運動導出性適応能力という)を引き起こす可能性が示唆されたことを報告した。 今年度は、動的運動トレーニングにおいて%WMITが、筋線維型ならびに毛細血管、血中脂質、免疫能に及ぼす影響を明らかにすることを目的に行った。被検者は、運動習慣のない男性8名。トレーニングは自転車エルゴメーターを用いて、ペダル回転スピードを50rpmで行うように指導し、乳酸閾値(LT)強度で1回60分、週5回、計30回行った。トレーニング前後でWMITに相当する発揮張力、LTに相当する仕事率、筋生検による各筋線維型の線維比と面積比と毛細血管数/筋線維数比、毛細血管密度、拡散指数を測定し、トレーニングの及ぼす影響を解析した。その結果、%WMITはType I線維の線維比ならびに面積比変化量との間に有意な負の相関関係を認め、安静時HDL2-cとの間に有意な正の相関関係を認め、免疫系に関しては、LT時VO2との間に関係が認められた。以上から、同一LT強度の運動でも主働筋の筋張力の多寡によって急性並びに慢性適応能力が異なる可能性があることと、WMITを基準に作業筋にかかる張力を規定するLT強度の運動を日を変えて繰り返すことで、規則的な筋線維型とHDL2-cへの慢性運動導出性適応能力を生起する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 音成道彦, 進藤宗洋他: "血中乳酸閾値(LT)強度での自転車トレーニングがエネルギー基質としての脂質利用に及ぼす影響"Sci.Bull.Fac.Agr., Kyushu Uuiv.. 58(1・2). 19-26 (2003)
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[Publications] Zhongfeng LIU, M.Shindo et al.: "Diurnal Variation in Secretory Immunoglobulin A Concentration"J.Fac.Agr.Kyushu Univ.. 48(1・2). 167-174 (2003)