2004 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀のアジアを描く英国人旅行家の旅行記とその旅に関する歴史地理学的研究
Project/Area Number |
14380025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金坂 清則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00092825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 誠 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (70086172)
小方 登 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (30160740)
勝田 茂 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (90252733)
坂本 勉 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (90051854)
天野 太郎 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教授 (70293933)
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Keywords | イザベラ・バード / グレート・ゲーム / ツイン・タイム・トラベル / 王立地理学協会 / 学際的研究 / 大英帝国 / アジア / 旅行記 |
Research Abstract |
15年度末に全員が集まって行った研究集会の折に打合せた方向に沿って各自研究を進め、2004年にその成果を持ち寄っての研究集会を開き、成果報告書作成のための最終打ち合せを行った。研究実績の概要は以下の通りである。 まず金坂は、19世紀英国人旅行家の旅行記のデータベース化を進める一方、2004年10月がイザベラ・バードの没後100年になることに鑑み、彼女の日本の旅に関する新しい知見を新聞に連載した。また、本研究が金坂が生み出し注目されつつあるツイン・タイム・トラベルという概念の有効性を他の旅行記や旅行家にも適応できることを雑誌に発表した。さらに、金坂が本科研をも利用して撮影してきた写真を集めた写真展「イザベラ・バードの旅の世界の今」を開催すると共に、山形県と平取町の主催でも開催してもらえ、社会的反響を呼ぶことができた。研究成果の社会への還元はNHKテレビの放送を通じても行った。 次に、坂本はバードやカーゾンの旅行記の歴史学的分析のためにトルコに赴き、その成果を研究会で発表すると共に研究成果報告書の執筆を進めた。勝田は初年度に行ったトルコ東部のツイン・タイム・トラベル的調査の取り纏めを行う一方、19世紀英国人旅行家の旅行記の最高のものと目されるJourneys in Persia and Kurdistanの訳出に基づく研究を、トルコ語学者ならではの能力も駆使して精力的に進めた。新谷も同じ旅行記のメソポタミァに関する部分をテキストとして、オスマン朝による支配がこの地域に及ぼした影響を歴史学的に解明する研究を進めた。秋山と天野はそれぞれチベットと韓国・中国東北地方で行った現地調査の取り纏めと当該地域に関する旅行記の歴史地理学的分析を進めた。小方は衛星画像を19世紀の旅行記の分析に生かすための研究を中央アジア・西アジアを対象として進め、山田は北海道や東京への出張をも通して、シベリア・ロシア極東を旅した英国人とその旅行記の分析をまとめた。なお、分担者のすべてが、金坂が編纂する旅行記の書誌情報の提供に協力した。
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Research Products
(7 results)