2003 Fiscal Year Annual Research Report
総合的な学習のカリキュラム開発における学習環境のデザインに関する研究
Project/Area Number |
14380079
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 龍也 静岡大学, 情報学部, 助教授 (50247508)
水越 敏行 関西大学, 先端科学技術推進機構, 研究員
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
加藤 隆弘 金沢大学, 教育学部, 専任講師 (10324063)
中川 一史 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80322113)
|
Keywords | 学習環境 / 総合的な学習の時間 / 授業設計 |
Research Abstract |
教員養成段階で「総合演習」を受けていない教師にとっては,総合的な学習の時間の設計・展開に未知の部分が多い。これまでの教科のねらいを達成することを主眼とした授業設計の知見には,学習指導要領に示された「自ら学ぶ」ねらいに関して,参考にすべきことはあまり多くない。体験を重視しながら自主的な学びを生起させるという新しいカリキュラムにおける,新しい授業設計の方法を考える必要がある。これに対して,総合的な学習に先駆的に取り組む教室の観察から,具体的な活動をベースにしながら,ねらいについても具体的に記述し,そのねらいにつなげるための手だて(しかけ)を意図的に行い,さらに,それらに基づいて評価を蓄積するような『帰納的授業設計」の流れを抽出し,それを「学習環境デザイン」と呼んだ。 この観点で実際の教師の行動を分析すると,従来の授業設計には含まれないさまざまな意図が,実際にデザインされているし,そうでなければ学習の展開がうまくいかなかったり,活動だけが行われて,子どもにとって意味のある学習になっていなかったりすることが見えてきた。 この学習環境デザインをマイクロソフト・エクセルを用いて定式化し,それを利用しながら学習環境デザインを行った結果,単元のねらいを教師が明確にもつことができるようになり,そのために指導すべきポイントや,援助すべきことがイメージしやすくなり,また,各学校で設ける評価の観点ごとのねらいのふりかえりにもつながること,子どもの評価を保護者と話し合うためにも有効であること,などが明らかになった。
|
Research Products
(10 results)
-
[Publications] Haruo Kurokami: "Procedure for Learning Situation Design"Proceedings of KAEIB 2003. 281-285 (2003)
-
[Publications] 黒上晴夫: "どう進めるか総合的学習の評価"総合的学習を創る. 154〜165. 74-77 (2003)
-
[Publications] 堀田龍也, 石塚丈晴, 高田浩二, 石原一彦, 小川雅弘: "携帯情報通信端末の活用による教室-屋外-社会教育施設のシームレスな学習環境の開発"情報処理学会情報教育シンポジウム SSS2003. 113-118 (2003)
-
[Publications] 小柳和喜雄, 山内祐平, 木原俊行, 堀田龍也: "英国のメディア教育の枠組みに関する教育学的検討-メディア・リテラシーの教育学的系譜の解明を目指して-"教育方法学研究. 28巻. 199-210 (2003)
-
[Publications] Takeharu ISHIZUKA, Tatsuya HORITA, Masahiro OGAWA: "Development of a Drill Type Kanji Learning System with PDAs for Elementary School Children"Proceedings of ED-MEDIA 2003. 2837-2840 (2003)
-
[Publications] Tatsuya HORITA, Mamoru MURAKAMI, Seita MORISHITA: "Analysis of Students' Records in the University Class Adopting e-Learning from a view point of Class Improvement"Proceedings of ED-MEDIA 2003. 1810-1813 (2003)
-
[Publications] Tatsuya HORITA, Takeharu ISHIZUKA, Masahiro OGAWA: "Live Technologies at School Rice Field : Live Cameras and a Live Sensor to Promote Students' Study through Experience"Proceedings of ED-MEDIA 2003. 2825-2832 (2003)
-
[Publications] 堀田龍也, 中川一史: "情報通信ネットワークを利用した交流学習を継続させている教師が学習指導上配慮している点の分析"日本教育工学会論文誌. 26巻4号. 325-335 (2003)
-
[Publications] 黒上晴夫編著: "教育改革のながれを読む"関西大学出版部. 205 (2004)
-
[Publications] 中川一史, 堀田龍也監修: "本当に子どもを伸ばすIT活用授業"学研. 127 (2004)