2002 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育教員養成プログラムの開発研究-LD,ADHD,高機能自閉症等を中心に
Project/Area Number |
14380096
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
上野 一彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20012578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568)
出口 利定 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50143623)
渡邉 健治 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70158624)
橋本 創一 東京学芸大学, 特殊教育研究施設, 助教授 (10292997)
太田 昌孝 東京学芸大学, 特殊教育研究施設, 教授 (00010281)
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Keywords | 特別支援教育 / 教員養成 / 軽度発達障害 / LD / ADHD / 高機能自閉症 / 教師支援 / 教育相談 |
Research Abstract |
<第1研究班>米国マサセチューセッツ州にある私立レスリー大学を訪問し、LD、ADHDを中心とする軽度発達障害児への教育の現状、およびそれらの問題への特別支援の技術を持つ教員養成の実状について資料収集した。また、LD、ADHD児への特別な教育を行っているハワイのアセッツスクール、マサチューセッツのキャロルスクール、統合教育を行っているマサチューセッツの公立学校を訪問し、教職員のシステムと必要な技術について資料収集した。 <第2研究班>関東地域にある小学校1000校を対象とするLD等の軽度発達障害児に関する特別な教育的支援の現状と教師支援についてアンケート調査を行った。その結果、軽度発達障害の障害名や症状などに関する認知度は進んでいる反面、担任教師の研修システムなどが確立しておらず、発達や学習、行動に対する理解と指導法に関する知識・技法などの修得がなされていない教師が多い傾向が明らかになった。また、担任教師が受ける研修の内容と児童らへの対応にあたってのその知識の活用との関係について明らかにした。 <第3研究班>LD児に対する有効な教育プログラムの構築のためには、彼らの認知的偏りの客観的評価とその機序の解明が重要である。今回、実行機能や作業記憶に関連した生理心理学的評価ができるコンピュータ評価課題として、「ハノイの塔」課題および社会的問題解決課題を作成した。そして、学習障害児2名および成人10名を対象とし、漢字書字課題、実行機能課題(「ハノイの塔」課題)、社会的問題解決課題を実施し、課題遂行中の近赤外分光法による脳血流量の測定を行った。測定箇所はブローカ野を中心として前方の部位とした。その結果、作業記憶との関連で各課題の遂行プロセスを評価可能なことが明らかとなった。 <第4研究班>第2研究班の調査の中で、教育相談を進める際の医療・専門機関との連携について調査した。その結果、著しく医療・専門機関との連携が少ないことと、連携のとり方そのものにおいて、養護教諭や教育相談担当教諭が未経験なために困惑していることが明らかとなった。特別な教育的ニーズのある児童への教育相談の進め方と、同時に医療・専門機関データベースの構築とその利用ガイドの作成をすすめた。
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