2004 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育教員養成プログラムの開発研究-LD,ADHD,高機能自閉症等を中心に
Project/Area Number |
14380096
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
上野 一彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20012578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 健治 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70158624)
出口 利定 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50143623)
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60251568)
太田 昌孝 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (00010281)
橋本 創一 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 助教授 (10292997)
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Keywords | 特別支援教育 / 教員養成 / 軽度発達障害 / LD / ADHD / 高機能自閉症 / 教師支援 / 教育相談 |
Research Abstract |
<第1研究班> アメリカを中心とした海外における特別支援教育の動向、および特別支援教育に関わる教員養成の動向について情報を集め、報告書としてまとめた。前年度までに実際に視察に行った学校や大学から得られた情報、研究論文や教員養成のテキストの情報を基に、インクルージョン、教育におけるユニバーサルデザイン、教員養成カリキュラムについて検討した。加えて、日本におけるLD,ADHD、高機能自閉症に対応できる教員養成のカリキュラムについて案をまとめた。 <第2研究班> 国内の教育センターにおける特別支援教育の研修の実施状況、および研修内容について情報を集め検討をおこなった。前年度までにおこなった調査結果をふまえて、通常学級でのLD児への教育をおこなうための教師に必要な研修、ならびに教師養成プログラムの学修内容について報告書としてまとめた。 <第3研究班> LD児における読みの困難はワーキングメモリの障害との関連が指摘されており、我々は、学習場面でのワーキングメモリの時間経過を客観的に評価する手法を開発する必要性を指摘してきた。本研究では、ワーキングメモリの客観的評価方法とLD児の前頭前野の機能を検討した。対象は、10名のLD児であった。彼らは順唱と逆唱を行った。K-ABCテストの数唱で低い得点を示したものは、保持期間の下前頭回でオキシヘモグロビンの増加を示さなかった。この結果は、LD児の前頭前野の機能不全を示しており、ワーキングメモリの時間経過を客観的に評価できることを明らかにした。 <第4研究班> 児童精神科医として教育相談室への関与を通して、特別支援教育が進んできている現段階で、医学と教育との連携の在り方を考えることを目的とした。対象は36名の児童生徒であり、平均年齢は8.8歳、平均IQは82.1であった。診断はすべてADHD、LD、自閉症などの発達障害であり、発達障害の相互の合併、および行為障害や不安障害の合併が多くに見られた。客観的行動評価の導入により、教師と親および医療機関を初め他の機関との連携がより有効になることが示唆された。
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Research Products
(10 results)