2002 Fiscal Year Annual Research Report
大学英語入試問題における四技能の測定方法に関する研究
Project/Area Number |
14380101
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉野 直樹 岐阜大学, 地域科学部, 助教授 (30235890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 雅史 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50189362)
清水 裕子 立命館大学, 経済学部, 教授 (60216108)
齋藤 栄二 関西大学, 大学院・外国語教育学研究科, 教授 (60162187)
野澤 健 関西国際大学, 人間学部, 助教授 (30198593)
FRASER Simon 呉大学, 社会情報学部, 助教授 (60289288)
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Keywords | 英語教育学 / 外国語能力測定 / item specification / 英語入試問題データベース |
Research Abstract |
本研究は,大学入試における各技能測定に適した測定方法を開発するための基礎的資料を提供すると共に,入試問題作成におけるガイドラインを策定することを目指した研究である。3ヶ年計画で行う本研究の初年度の研究活動として,今年度は先行研究を基に日本の大学入試問題の評価項目/側面の特定(item specification)を行うための分析フレームワークを構築した。この際の基礎資料として用いたのは,2002年1月に実施された大学入試センター試験の英語問題と,研究者らの所属大学(7大学)が同年に実施した個別入学試験問題である。 構築したフレームワークは,実施大学および年度・総合点・各問の配点・制限時間といった「基本情報」セクション,課題タイプ・解答方法・リーダビリティなどの情報を含む「テスト形式」セクション,四技能に加えて発音・語彙・文法といった「測定技能」セクション,および出典情報などを含む「付加情報」セクションから構成されている。特に,「テスト形式」セクションにおける課題タイプについては,基礎資料とした問題を実際に分析し,先行研究に挙げられている課題タイプに加えて「phoneme discrimination 」「information matching」「topic identification」「referent identification」など,34の課題タイプを特定した。また,解答方法については,いわゆるTrue-False形式と多肢選択方式の「closed」タイプと,記述式解答方法である「open-ended」タイプに大別した。特に多肢選択方式については,大学入試センター研究開発部で構築を進めているデータベースとの両立可能性を目指して,さらに下位区分を設けている。このフレームワーク構築作業を通して,主に英語使用が日常的に行われている環境下でのテスティング研究で特定された評価項目/側面は,必ずしも日本におけるテスト問題の分類・分析には適しておらず,日常的な英語使用が前提とされていない状況下における評価項目/側面の特定が必要であることが明らかになった。
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