2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子文章に内在する攻撃的因子の特定とそのデバッグに関する教育支援マニュアルの作成
Project/Area Number |
14380102
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
淺間 正通 静岡大学, 情報学部, 教授 (60262797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松王 政浩 静岡大学, 情報学部, 助教授 (60333499)
ジュゴン ジャン=クロード 静岡大学, 情報学部, 外国人教師
遠山 弘徳 静岡大学, 人文学部, 助教授 (20202195)
河原 俊昭 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (20204753)
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Keywords | フィンランド / 携帯電話 / メディアリテラシー / モラルハザード / 人格変容 / コミュニケーション接面 / コノテーション / 知情意の連鎖 |
Research Abstract |
平成16年度は、3年間に亘る研究の最終年度であることから、前半は、平成14年度および平成15年度に得られた調査データの再検証を実施して、電子文章の中に潜む「攻撃的因子」の特定化を行なった。特定化に関しては、統計手続きによってこれまでに得られたデータの表層的特質を明らかにする方法と、オーラルリサーチの一環として収集したネットトラブルの頻発事例を精神病理学的な見地から解明する方法との両面で実施した。その結果、電子文章における「攻撃性」を助長する要因が利用者側では「匿名」「中傷」であり、電子的媒体側では「掲示板」「メール」であり、そして利用される側では「無知」「無関心」に依存していることがあらためて確認されることとなった。しかし、さらに研究を推し進めてみると、これらの現象の背景には、いわゆる電子文章の送り羊と受け手との間そのものにリテラシーの「ずれ」が生じていることが明らかとなった。したがって、本最終年度の後半は、電子文章を送受信する場合に必要なリテラシー能力を、道徳教育との連携においてステップ・バイ・ステップに育成する教育支援の方途を探索することにした。その研究の一環から、リテラシー能力育成においてより強力な示唆を提示してくれるであろう、昨今その分野で国際的評価の非常に高いフィンランドの教育機関の視察を実施した。教育関係者から本研究内容へのレビューを受けると同時に、電子情報環境をめぐるフィンランドの若者と日本の若者との間の意識差をも浮き彫りにすることができ、教育支援マニュアル作成に向けての新たな視点移動の必要性を認識することができた。
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Research Products
(5 results)