2003 Fiscal Year Annual Research Report
ITSにおけるマルチキャストとアドホックネットワークを用いた効率的情報通信方式
Project/Area Number |
14380140
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 尚 静岡大学, 情報学部, 教授 (90201201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 忠則 静岡大学, 情報学部, 教授 (80252162)
佐藤 文明 静岡大学, 情報学部, 助教授 (40273164)
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Keywords | 高度道路交通システム / アドホックネットワーク / MACプロトコル |
Research Abstract |
今年度は、隣接の車両間との間あるいは路との間にアドホックネットワークを構築する手法であるDRVCを開発した。特に、路車間でエラーが発生した場合をも含めた特性を解析した。 具体的には、DRVC(Direct and Relay protocol for Vehicle Communications)は、基地局の存在を仮定する路車間通信とアドホックネット接続を行う車車間通信を統合するMACプロトコルである。DRVCは既存の路車間通信プロトコルであるDSRCを基に改良したプロトコルであり、実装の面からも利点がある。フレーム構成はフレーム情報、前フレームでの車車間通信の成功通知などを車両に通知するために使用するFCMS、データ送信用と受信応答用のミニスロットチャネルから構成されるMDS、各車両がMDSを予約するために使用されるACTS、車車間通信が失敗したときに基地局がデータを中継するために使用されるDRSの4つのタイムスロットからなる。DRVCでは、車車間通信が失敗した場合、信頼性を確保するためにDRSを臨時に割り当て路車間通信を行う。 車車間および路車間にエラーが生じる場合も含めてシミュレーションによって評価した結果、DRVCはDSRCより信頼性、低遅延であり、最大1,8倍のスループットが得られることを示した。また、準天頂衛星やセルラーネットワークを併用する方式を検討した。さらに、アプリケーションとして、緊急時・災害時への応用を検討した。 DRVCでは現在路側インフラのある場合での通信プロトコルについて検討しているが全ての道路にインフラ設備を行うことはコストの面から厳しい。そこで完全に路側インフラの無い場所でのアドホック通信方式を今後検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岩橋努, 渡辺尚, 水野忠則: "準天頂衛星を利用したITS情報通信サービスの提案"情報学ワークショップ2003(WiNF2003). 245-255 (2003)
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[Publications] 台蔵浩之, 渡辺尚, 岩橋努: "車車間通信と路車間通信を統合するMACプロトコルの評価について"情報処理学会研究会報告,高度道路交通システム研究会. 16. 27-33 (2004)
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[Publications] 台蔵浩之, 渡辺尚: "路車間通信を利用した高信頼車車間通信プロトコルについて"情報処理学会第66回全国大会. 3265-3266 (2004)
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[Publications] 岩橋努, 樋口博, 中島務, 渡辺尚, 水野忠則: "準天頂衛星と地上無線網を利用したPosition-based-ITS"電子情報通信学会2004年総合大会. 824 (2004)
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[Publications] 澤本潤, 岩橋努, 臼井澄夫, 渡辺尚: "準天頂衛星を利用したPoshition-based情報配信システム"電子情報通信学会2004年総合大会. 825 (2004)
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[Publications] Tatsuji Munaka, Tatsuhi Yamamoto, Masahiro Kuroda, Takashi Watanabe: "Location dependent data multicasting in intelligent transportation system and its evaluation"International Journal on Transportation Research Part C 11. 355-373 (2003)