2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380145
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 雅史 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (00135419)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定兼 邦彦 九州大学, システム情報科学研究院, 助教授 (20323090)
朝廣 雄一 九州産業大学, 情報科学部, 助教授 (40304761)
小野 廣隆 九州大学, システム情報科学研究院, 助手 (00346826)
|
Keywords | 巨大分散システム / 安定性 / 統計力学的手法 / ランダムウォーク / 自己安定システム |
Research Abstract |
分散システムのエージェント数は既にギガで測られる時代にあり,テラの時代が近づきつつある.事実,ギガで測られる個数のサイトがインターネットに組織されている.ホームページ検索エンジンGoogleは8.05×10^9個のホームページを検索可能であり,この数は1年に3×10^9個以上伸びている.また,DNA計算を,部分解の選択/連接を行うためのエージェントとして物理分子を用いる計算であると捕えると,おおよそ10^{15}個の分子が一つの分散システムを構成する.本研究が検討の対象とするのはこのような巨大な分散システムである.巨大分散システムは,エージェント数が巨大であるという理由から,1)各エージェントが無視できない程度にシステムの動的な変化が大きくなるにも関わらず,2)各エージェントが収集可能な局所情報が大域情報に占める割合は相対的に小さくなるという特徴を持つ.このような特徴を持つ巨大分散システムの安定性を吟味することが本研究の目的であった. 本年度は,統計力学的手法を用いた分散システムの動作解析を念頭におき,特に,巨大ネットワークのモデルとして最近は研究が集中しているスモールワールドとスケールフリーネットワークに対して,局所情報とギブス分布で確率行列が与えられるようなランダム・ウォークのヒッティング時間とカバー時間の関係について議論した. つぎに,トポロジーが動的に変化することが主要な特徴である巨大ネットワークに対して,このような動的なトポロジー変化に耐えて自律的に安定するようなアルゴリズムの概念を始めて提案し,そのようなアルゴリズムを構築した.さらに,ネットワークの2分割についても考察し,2分割に耐えてk-相互排除をを実現するための方策を提案した.
|
Research Products
(14 results)