2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAコンピューティングを利用した個人遺伝子情報のセキュリティーに関する研究
Project/Area Number |
14380152
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大内 東 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50002308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅人 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (40292057)
川村 秀憲 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (60322830)
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Keywords | DNAコンピューティング / 個人遺伝子情報 / ダミーDNA / PCR / キープライマー / セキュリティー |
Research Abstract |
個人遺伝子情報保存のためのセキュアなデバイスとしてDNAを用い,必要な際に鍵の情報を知る場合にのみ情報を取り出すことのできるシステムの構築を目指して研究を行った. DNAの塩基配列として,個人遺伝子情報をコード化し,複数の鍵として機能するDNA断片(キープライマー)を階層的に結合した形でデータを保存する.悪意のある者からデータを保護するため,実際の鍵となるデータ以外には,ダミーの情報をコード化したDNAを膨大な数用意する.データの読み込みには,複数のキープライマーを用いたNested PCRを行うことで実行する. 本年度は,保存したいデータ以外のダミーDNAをランダムに大量生成するための方法として,DNAコンピューティングの基本技術であるParallel Overlapping Assemblyを利用することで,65,536種類のダミーDNAを生成することに成功した. さらに,目的とするDNAのみを取り出し遺伝子情報などのデータを取り出せることが可能であることを示すために,情報を簡略化してデータ0とデータ1の2種類を用意した実験系を構築した.ダミーDNAには人工的にデータ1をコード化して格納し,目的とするDNAには人工的にデータ0を格納しておく.目的とするデータは,それに対応するキープライマーを用いたNested PCRによってデータを取り出す.目的とするデータに対応するキープライマーを用いた4階層のNested PCRを行って,1に対応するデータが適切に読み出せることを確認した.目的としないデータに対するPCRでは,データ1が取り出せないこともいくつかのプライマーを用いることで確認した.しかしながら,成功率は100%ではなく,一部,正しくデータ1が読み出せると判断することが困難な例も見られたことから,さらなる成功率の向上が今後の課題である.
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Research Products
(9 results)