2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380188
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 芳嗣 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00119033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉瀬 章子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (50234472)
イリチュ 美佳 (佐藤 美佳) 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (60269214)
繁野 麻衣子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (40272687)
後藤 順哉 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (40334031)
八森 正泰 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 講師 (00344862)
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Keywords | ゲーム理論 / 社会的厚生関数 / 社会的選択関数 / 大域的適化 / ネットワーク流 / 相補性問題 / 多次元尺度法 |
Research Abstract |
最適化の対象となるシステムが、自律的な部分システムを含みそれらが個別に最適化すべき目的を持っている場合、それらの部分システム固有の変数は部分システム個々の最適化のプロセスによって決まるため、制御不能であったり、制限されたりします。全ての変数が制御可能である理想的な状況と上のような自律的な部分システムを含む状況とで、システム全体の効率がどの程度変化するかをとらえる方法を開発することがこの研究の主な目的で、本年度は、「最小極大流問題」、「非対称データに対する多次元尺度法」、「社会的厚生関数」について研究を進めました。 初めのテーマについては、山本、後藤、N.v.Thoai(ドイツTrier大学教授)の論文に続いて、山本、吉瀬、N.v.Thoaiの論文もJournal of Optimization Theory and Applicationsに出版されました。計算実験では以前の高橋、繁野、山本の論文に及びませんでした。理由は、分枝限定法で用いた部分問題の緩和方法が十分でなかった事によると考えられます。まだ改善すべき点が残っています。 また、2番目のテーマについては、地域間の電話の通話件数や、人の移動などのデータから得られる非対称データを3次元程度の低い次元の空間に埋め込み、視覚的にその非対称性を認識できるようにする方法の開発を目指して、重力モデルをその一部に取り込んだモデルを提案しました。茨城県の通勤,通学データを対象に分析した結果、循環構造のないデータに対しては既存の非対称データに対する多次元尺度法に比べて、解釈の容易な出力を与えることが分かりました。計算時間もさほど負担になるほどではありませんでした。 最後のテーマに関しては大保、鶴谷、梅澤、山本で"Social welfare function for restricted preference domain"に結果をまとめPacific Journal of Optimizationに掲載予定です。社会的厚生関数の存在に関しては、肯定的な結果を得ることはできませんでしたが、社会的選択関数の操作不可能性に関しては幾つかの肯定的な結果を得ており、現在論文にまとめる準備を行っています。
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Research Products
(6 results)