2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380221
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
成原 一途 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (90109356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 一博 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80222371)
|
Keywords | LHD / トムソン散乱 / フィラメンテーション / ITB |
Research Abstract |
本年度は、(1)大型ヘリカル装置(LHD)に設置済みの200チャンネル高空間分解能トムソン散乱計測器(HR-TS)で得られた電子温度分布上の構造の詳細吟味および受光光学系較正法の高度化、(2)レーザ掃引型2次元トムソン散乱装置(SW-TS)の設計・組み立て、および、(3)後方・前方同時散乱計測(BF-TS)のためのレーザ遅延光学系の開発を行なった。(1)昨年度までにHR-TSを用いて観測された電子温度分布のほとんどは、磁気軸から端にほぼ滑らかに下降する分布を示していたが、時たま局所的な「膨らみ」、「平坦」または「切り裂き」状の構造が観測されていた。これらの構造が有意な実在物なのかそれとも測定器の不完全性から生じる偽物なのかを判断するため、多くのデータの統計解析および測定器の較正を継続的に行った。現在までの結果は、(a)低密度プラズマに現れる「切り裂き」状構造の大部分はショットノイズに起因する、(b)高密度・高輝度プラズマに現れる「切り裂き」状構造は光検出器が過剰な光に照射されて起こる可熊性が高い、(c)有理面近傍に現れる「膨らみ」および「平坦」状構造は磁気島に関連した有意な実在物である、(d)磁場回転変換を減少させる方向の中性粒子入射(cntr-NBI)でプラズマを維持しながら、中心部を電子サイクロトロン波共鳴加熱(ECH)すると,磁気軸に対して非対称な急峻な構造が現れることがある。形状そのものは再現性を欠くが,ECHとの相関が非常に高いので有意な実物である。実験データの精度および信頼度を更に上げるには、実際の測定条件で較正することが重要である考えるに至った。これを実現するため、波長可変な光パラメトリック発振器、ファイバーによるレーザ伝送、散乱模擬反射板等を準備中である。(2)HR-TSでは主半径に沿ったTe分布が得られる。これに加えて、垂直(z)方向のTe分布が得られるようにSW-TSの設計・組み立てを行った。レーザ反射ミラーの回転に同期して散乱光を受ける光ファイバを移動させる光学系をほぼ組み立てた。(3)稼動中のHR-TSは後方散乱配位で、受光スペクトルは通常の90度散乱スペクトルより広くなる。このため、中心温度が上がりすぎるとプラズマ光の影響を受けてデータの精度が悪くなる。これに対処するため、スペクトルが狭い前方散乱配位を構築中である。HR-TS用レーザがプラズマ通過した後、ミラーで逆方向に反射され前方散乱用に再利用される。後方・前方散乱光が時間軸上で十分分離できるように、反射ミラーの前に100ナノ秒遅延光学系を挿入する。これらの光学部品の設計・製作・組み立てなど、全予定工程の半分程度完了した。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] K.Narihara, I.Yamada, H.Hayashi, K.Ikeda, et al.: "Observation of Electron Temperature Profiles with Bulged Regions around the i=1 Magnetic Surface of the Large Helical Device"Journal of Plasma and Fusion research. 80巻4号. (2004)