2004 Fiscal Year Annual Research Report
粒子法による水冷却原子炉内のドライアウト現象の数値解析
Project/Area Number |
14380232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 芳明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越塚 誠一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80186668)
石渡 祐樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10334319)
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Keywords | 原子炉 / 熱流動 / 気液二相流 / 数値解析 / 粒子法 / ドライアウト / 沸騰遷移 / 液滴 |
Research Abstract |
沸騰水型軽水冷却炉では、炉心上部において環状噴霧流になり、そこでのドライアウトが熱的制約条件となる。そして、ドライアウトを精度良く解析できることが設計および安全のために重要である。これまで研究代表者らが開発してきたMPS(Moving Particle Semi-implicit)法は、格子を必要としない数値解析法であり、液滴の分裂や合体を容易に解析することができる。本研究では、MPS法を用いてドライアウトの直接シミュレーションを試みる。 平成16年度は、(1)有限体積法と粒子法とを組み合わせた粒子-格子ハイブリッド法に、低レイノルズ数型κ-ε乱流モデルを組み込むこと、および、(2)この粒子-格子ハイブリッド法を用いて沸騰水型軽水炉の燃料棒液膜のシミュレーションと、液膜表面の不安定性の成長の計算をおこなった。 沸騰水型軽水炉の流動条件ではレイノルズ数が高く乱流状態になっている。特に、壁に付着している液膜では壁の影響も考慮する必要があり、これが可能な乱流モデルとして、低レイノルズ数型κ-εモデルが適しており、これを平成15年度に開発した粒子-格子ハイブリッド法に組み込んだ。これによって沸騰水型軽水炉の実際の流動条件における乱流を効率的に計算することができるようになった。 この乱流モデルを組み込んだ粒子-格子ハイブリッド法を用いて、液膜の流動解析をおこなった。液膜では表面の不安定性が成長することでそこから液滴が形成され、これが蒸気流中に放出されることで液膜流量が低下する。これをエントレインメント過程と呼び、ドライアウト現象を予測するための重要な素過程である。沸騰水型軽水炉の液膜流動条件を評価するとともに、その解析に必要な計算容量と計算時間を算出した。
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Research Products
(7 results)