2003 Fiscal Year Annual Research Report
出力パルス帰還温度制御型誘電体マイクロカロリーメーターの応答特性
Project/Area Number |
14380237
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前畑 京介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30190317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
執行 信寛 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40304836)
有馬 秀彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20253495)
石橋 健二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00159766)
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Keywords | 極低温検出器 / 高性能X線検出器 / マイクロカロリーメーター / 誘電体素子 / 温度制御 |
Research Abstract |
極低温に冷却された試料にX線等の粒子線が入射した際に生じる温度上昇を計測することで、入射粒子線のエネルギーを精度良く評価する検出器をマイクロカロリーメータと呼ぶ。この検出器は検出感度を高めるために断熱に近い状態に保持されているので、上昇した温度がコールドステージ温度へ緩和するのに数ミリ秒程度の時間を要するため、高計数率の測定に不向きである。我々は、1.0%のSrTa_2O_6を含んだSrTiO_3誘電体を用いたマイクロカロリーメータを実用化するために、動作温度の揺らぎを抑制し、出力パルスの減衰時間を短縮する出力パルス帰還温度制御方式を考案した。 本研究では冷却された1.0%のSrTa_2O_6を含んだSrTiO_3誘電体を使って出力パルス帰還温度制御型マイクロカロリーメータを製作し、α線及びX線に対するマイクロカロリーメータの応答特性を測定することを目的とする。 今年度は、昨年度の研究で、数種類のx=1.0%のMnCO_3添加(1-x)SrTiO_3-xSrTa_2O_6誘電体のl00mK近傍における静電容量温度変化率を測定したが測定値は再現性を示さなかった。この原因を調査したところ、電極の付け方や、誘電体結晶中のTiサイトとTaサイトの非化学量論性が極低温における静電容量に大きく影響することがわかった。そこで、今年度は100mK近傍の極低温において大きな静電容量温度変化率を再現性良く示すx=1.0%のMnCO_3添加(1-x)SrTiO_3-xSrTa_2O_6誘電体の作製法を確立し、この試料を用いてマイクロカロリーメータ素子を作製した。
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