2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380245
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福間 浩司 熊本大学, 理学部, 講師 (80315291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 尚美 海洋科学技術センター, 海洋観測研究部, 研究員 (70344281)
渋谷 秀敏 熊本大学, 理学部, 教授 (30170921)
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Keywords | 気候変動 / 北太平洋 / ダスト / 環境磁気学 / 古地磁気学 / アルケノン / 磁気層序 |
Research Abstract |
研究の目的は,ダストの供給が海洋や気候に与える影響を解明することである.ダスト供給と気候変動の関係を明らかにするため,1)これまで時間解像度が低かった北太平洋の堆積物の年代を,地磁気強度層序によって高時間解像度で求める.2)ダストによって供給される赤鉄鉱などの磁性鉱物を,前処理を必要としない磁気的方法を用いて高感度で迅速に定量を行い,ダスト供給量を求める.さらに,3)海底堆積物中の生物生産性の指標(例えば,有機炭素量)と比較することにより,ダスト供給量が海洋の生物生産量をコントロールするという説を検証する.本年度は,まず1)を行い、2)のために新しい装置の開発を行い,3)の有機炭素量の測定を行った. 北太平洋の珪質堆積物コアからU-channelサンプラーを使って残留磁化測定用の連続試料を採取し,低温磁気および磁気ヒステリシス測定のために2cm間隔で数gの個別試料を得た.堆積物の年代を求めるために,U-Channel試料の自然残留磁化を測定し交流消磁による磁化の安定性の検討を行った.自然残留磁化強度を規格化するために,交流消磁後に非履歴性残留磁化を付加して自然残留磁化と同様に交流消磁を行った.その結果、地磁気強度の変化を求め,地磁気強度の標準曲線との比較から過去約80万年間の年代を数千〜数百年のオーダーで求めることができた.岩石磁気測定として,1)堆積物中の磁性鉱物の同定を行うため,低温での磁化の変化の測定を行い,2)ダストの供給量を示す磁性鉱物の含有量ならびにダストの粒径を表す磁気的性質を求めるため,磁気ヒステリシス測定を行った. 一方、赤鉄鉱のように磁化が小さい磁性鉱物を感知するため,感度が高く高真空で加熱できる磁気天秤を購入した.十分な感度を得るため実際の試料を用いて様々なテストと改良を行い,ダストを含む堆積物を測定する方法を確立した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Harada, N., et al.: "Is amino acid chronology available to estimate geological age of siliceous sediment?"Earth and Planetary Science Letters. 198. 257-266 (2002)
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[Publications] Narita, H., et al.: "Biogenic opal indicating less productive northwestern North Pacific during the glacial ages"Geophysical Research Letters. (印刷中). (2003)
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[Publications] Shin, K.-H., et al.: "Production and turnover rates of C37 alkenones in the eastern Bering Sea : implication of the mechanism of long duration of Emiliania huxleyi bloom"Progress in Oceanography. 55. 113-129 (2002)