2002 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク核実験場周辺での長期低線量率被曝に関する外部被曝線量再構築
Project/Area Number |
14380253
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高田 純 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教授 (00274134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 斉 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助手 (90285057)
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
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Keywords | セミパラチンスク / 外部被曝線量 / TLD / ESR / 核兵器 |
Research Abstract |
歯のエナメル質を用いたESRドシメトリーにおける、長期太陽光暴露の影響を調べる実験を開始した。先ず、太陽光暴露場としての屋上の光量を測定するシリコンフォトダイオードを検出器とした照度計を校正した。方法は、晴天日の測定値(klx)を、気象庁データから推定した広島の直達日射量瞬間値(mW/cm^2)で校正するものである。 太陽光暴露により、エナメルのESRスペクトルが変化することを確認した。g=1.997のピークは、ガンマ線のみならず、太陽光でも強く影響を受けた。したがって、セミパラチンスク実験場周辺住民の放射線被曝の線量解析に関して、この太陽光暴露の影響を定量化する必要がわかった。 レンガ線量から住民の外部被曝線量を推定するスキームを検討した。ここで、屋内と屋外の滞在時間比がキーパラメーターである。それを変数として、ある幅を持たせて、外部被曝線量を計算した。これによると、ドロン村では、1.1Gyから0.3Gyまでの外部被曝の幅が、最大でありえる。セミパラチンスク医学アカデミーでの第三回国際環境放射線医学会議および線量専門家会議にて、外部被曝線量評価の方法と結果を報告した。 本年度は、クルチャトフ市にて、レンガ採取した。ただし、レンガ資料を現地に残してきたので、次回持ち帰る予定である。住民の被曝の原因となった、実験場内の地上爆発地点を調査した。1961-1962年に実施したであろう1kt未満の小型核兵器のクレータ爆発跡を発見した。プルトニウムと思われる高レベルのアルファ放射体の残留汚染を確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] J.Takada: "Radiological status of Rongelap Island in 1999"Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry. 252・2. 261-266 (2002)
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[Publications] T.Ishikawa: "NEW IN-VIVO CALIBRATION PHANTOMS AND THEIR PERFORMANCE"Health Physics. 82・3. 348-357 (2002)
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[Publications] 高田 純: "ウスチカメノゴルスク市の外部被曝線量評価"広島医学. 55・3. 147-148 (2002)
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[Publications] A.I.Ivannikov: "INDIVIDUAL DOSE RECONSTRUCTION AMONG RESIDENTS LIVING IN THE VICINITY OF THE SEMIPALATINSK NUCLEAR TEST SITE USING EPR SPECTROSCOPY OF TOOTH ENAMEL"Health Physics. 83・2. 183-196 (2002)
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[Publications] K.Shizuma: "Measurement of Residual 60Co Activity Induced by Atomic-bomb Neutrons in Nagasaki and Background Contribution by Environmental Neutrons"J. RADIAT. RES.. 43. 387-396 (2002)
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[Publications] 高田 純: "世界の核被災地調査"科学. 73・3. 309-315 (2003)
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[Publications] 高田 純: "爆心地の放射線調査"Proceedings of the Third Workshop on Environmental Radioactivity KEK Tsukuba, Japan March5-7, 2002. 259-264 (2002)