2004 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク核実験場周辺での長期低線量率被曝に関する外部被曝線量の再構築
Project/Area Number |
14380253
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高田 純 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00274134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究所, 教授 (00169153)
佐藤 斉 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教授 (90285057)
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Keywords | セミパラチンスク / 線量評価 / TLD / ESR / 小型核兵器 / テロ / 放射線防護 |
Research Abstract |
太陽光暴露が歯のエナメルESR線量評価に与える影響を実験的に調べた。g_⊥=2.0018とg_‖=1.998のESR信号強度は照射光量に比例して変化した。g_⊥=2.0018に対して、50〜70kJ/cm^2太陽照射光量が1Gyのγ線線量に相当する。本実験から、セミパラチンスク実験場周辺住民の個人線量評価においては、被曝後数十年間の口腔内の歯の太陽光照射影響を考慮しなくてはならないことが分かった。 抜歯エナメルのESR線量評価では、過去の過渡的なガンマ線被曝に加えて、口腔内への長期間の太陽光散乱線被曝が線量として加算される。少なくとも、減算にはならないことが分かった。 本研究から、被曝建造物のレンガに対するTLDから、人体外部線量への換算方式が考案された。今後、抜歯ESR線量からの人体外部被曝線量への換算方式の考察が課題である。 尚、これまでのデータは、歯のESR線量がレンガTLD線量よりもかなり低い傾向にある。ドロン村で比較すると、教会のレンガ線量が0.71+-0.14Gyに対し、二人のドロン村住民(59歳および58歳)の歯のESR線量は0.1〜0.2Gyであった。尚、彼らの最初の核爆発時の年齢は、およそ10歳と推定される。その住民の居住に関する記録の確認も必要である。 地表核爆発後の核の灰のフォールアウトがこれら居住区住民の被曝の主な原因である。計算からの線量予測法(RAPS)を過去の米ソの実験データから開発可能である。現在は、経験則の関数に基づいた計算手法を開発している。今後、核テロ対策などの国民保護基本指針の方向にある課題について、核災害対策としての放射線防護計算システム開発が求められていると考えられる。
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Research Products
(11 results)