2002 Fiscal Year Annual Research Report
自然千潟と同様な構造と機能を有する人工干潟の造成技術
Project/Area Number |
14380273
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡田 光正 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70124336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 哲士 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60343290)
中野 陽一 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10325152)
西嶋 渉 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20243602)
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Keywords | 自然干潟 / 人工干潟 / 造成 / 潜堤 / 勾配 / シルト含有量 / 海水流動 / 最近現存量 |
Research Abstract |
自然と同様な人工干潟の造成に関する設計因子を明らかにすることを目的とし、広島湾内に10ヶ所の自然及び人工干潟土壌を調査し、復元した人工干潟における土壌構造の変化を調べた。その結果、以下のことがあきらかになった。 1)一年目の結果では、干潟を復元するときに傾斜を緩やかにして、シルト含有量や細菌現存量が高い土壌を投入すれば自然干潟と同様な人工干潟の造成が可能であった。 2)自然干潟と同様な土壌構造を持つ人工干潟を造成するためには、勾配を緩やかにすると土壌中に存在するシルトの流出が減少し、海水中のシルトは沈降しやすくなり、シルト含有量、細菌現存量も自然干潟と同様になると考えられた。しかし、自然と同様な人工干潟を創出しても、潜堤のような維持管理がなされないと日常的な海水流動によって徐々に干潟土壌の洗掘が起こるという兆候があった。この点は2年目以降で引き続き調査する。 3)潜提等の構造物が構築している場所を検討した結果、シルトを動かすせん断応力が発生する割合に着目すると,潜堤が無い場所が35%、高い潜堤のある場所では3%、低い潜堤がある場所では1%であり、シルト含有率が少ない順に高い割合を示していた。両潜堤を設置した地点の40〜70mにおける勾配は自然干潟の斜面勾配と同程度であることもわかった。潜堤の設置によって自然干潟に近い流動条件を達成し、これによってシルトの沈積を促し、自然干潟に近い土壌構造が得られたと考えられた。 自然干潟と同様な土壌を投入した干潟マイクロコズム実験の実験も始めており、結果が出てきているが、まとまってはいないため次年度以降に考察を報告する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 曹 慶鎮: "人工干潟の創出及び復元における斜面勾配の影響"土木学会誌論文集. 727/VII-26. 23-30 (2003)
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[Publications] Hitoshi Tamaki: "Deterioration of Eelgrass, Zostera Marina L., Meadows by Water Pollution in Seto Inland Sea, Japan"Marine Pollution Bulletin. 44. 1253-1258 (2002)