2003 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物焼却炉の排ガスに含まれる微量重金属成分の化学形態分析とその低減法の確立
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14380279
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 教授 (10164633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 芽 (株)アクトリー, 技術開発営業室, 室長代行・研究職
桜井 誠 中部大学, 工学部, 講師 (10278260)
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Keywords | 廃棄物焼却 / 微量金属 / カスケードインパクター / CCSEM / フライアッシュ / 下水汚泥燃焼 / 化学形態分析 |
Research Abstract |
流通式燃焼装置(試料供給量30g/h、内径50mmφ、長さ1800mm)を使用して、石炭および乾燥汚泥などの固体廃棄物の燃焼実験を実施した。カスケードインパクターを使って、10μm以下の粒子状物質や飛灰、バグフィルター灰中の粒子をCCSEMと微小部XRDを利用して、数千個レベルで粒径分布と形態別分析を行い、燃焼過程における粒子の組成や粒径変化を検討した。また、石英フィルターに付着した微粒子をアスピレータにより粒子1個ずつ吸引し、ヘリウムマイクロ波誘導プラズマによる発光分光分析の手法を使用して、バルク粒子表面にコーティングしている微量の凝縮性元素の定量を行い、その化学形態を明らかにした。 (1)組成的には本来はリン酸カルシウムの飛灰として煙道に排出されるべき飛灰のほとんどが、カルシウムの一部が2あるいは3価金属(カドミウム、鉛、亜鉛、クロムなど)によって置換された固溶体を形成していることを見いだした。リン酸カルシウムが高温場で重金属と反応できるかを確認するため、純粋なリン酸カルシウム粉末を石炭や廃棄物に混ぜて燃焼すると、リン酸カルシウムの一部が重金属に置き換わる固溶体生成が生成し、高温場で重金属類がリン酸カルシウムで捕捉できることを確かめた。 (2)環境や生態への影響が大きい煤じん粒子表面に濃縮した揮発性元素の定量分析を行った。下水汚泥燃焼によって生成した飛灰のバルク粒子表面にコーティングしている微量の凝縮性元素として、B、As、Zn、S,P,Clが定量され、その化学形態として、As_2O_3,ZnCl_2,ZnSO_4などの存在が推定された。 (3)Asは、高温燃焼場で微粒の酸化鉄粒子と結合していることが明らかになった。排ガス中の砒素化合物の低減策として、酸化鉄粒子を利用した吸着法が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshihiko Ninomniya, Lian Zhang, Zhongbing Dong: "Transformation of Alkali and Trace elements during Combustion of High-sulfur Coals"The 12nd International Conference on Coal Science. 7B-4. 1-18 (2003)
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[Publications] L.Zhang, Y.Ninomiya, M.Masui, T.Sakano, C.Kanaoka: "Emission of particulate matters and vaporization of alkali and trace elements during combustion of sewage sludge"The 8th Japan-China Coal and C1 Symposium. 65-66 (2003)
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[Publications] Y.Ninomiya, Lian Zhang, A.Sato, Zhongbing Dong: "Studies on mechanisms governing the formation of particulate matters during coal combustion"The 8th Japan-China Coal and C1 Symposium. 159-160 (2003)
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[Publications] L.Zhang, M.Ito, A.Sato, Y.Ninomiya: "Fate of alkali elements during pyrolysis and combustion of two Chinese coals"Journal of Chemical Engineering of Japan. 36, 7. 759-769 (2003)
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[Publications] L.Zhang, A.Sato, Y.Ninomiya, E.Sasaoka: "In situ desulfurization during combustion of high-sulfur coals added with sulfur capture sorbent"Fuel. 82. 255-266 (2003)