2002 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族基質プレニルトランスフェラーゼの分子解剖と構造生物学的解析
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14380286
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢崎 一史 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (00191099)
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Keywords | プレニルトランスフェラーゼ / ヒドロキシ安息香酸 / ゲラニルジリン酸 / ムラサキ / LePGT / 基質特異性 / シコニン / ユビキノン |
Research Abstract |
芳香族を基質とするプレニルトランスフェラーゼは、ユビキノンや多くの植物二次代謝産物の生合成反応に関わり、重要な生理学的役割を果たしている。その分子解剖を行うモデルとして、筆者がこれまでにクローニングした、ムラサキのシコニン生合成酵素LePGT-1および-2を用いた。これらは膜蛋白質で、p-ヒドロキシ安息香酸にゲラニルジリン酸のプレニル基を転移するが、いずれも両基質に対して明確な特異性を示す。まず、両クローンの酵素化学的特性を調べたところ、前者により高い基質親和性が見られたため、こちらを変異酵素作成の母体に用いることとした。保存及び非保存配列を欠失した変異酵素を作成し、酵母の機能的発現系において活性の検定を行ったところ、保存配列のみならず、C-末端の配列が活性発現に極めて重要な役割を果たしていることが示唆された。今後は、部位特異的変異導入による活性部位の絞り込みを行う予定である。 一方、本酵素の結晶化の戦略として、可溶性プレニルトランスフェラーゼであるBacillus属のFPP合成酵素を母体として、その触媒部位2箇所FARM, SARMをLePGT-1の相当部位と入れ替えたキメラを作成することとした。現在、FARMのみ、SARMのみ、及び両方をLePGT-1のアミノ酸配列と置換したコンストラクトが作成できたところである。今後活性測定へと進展させる予定である。さらにこれと並行して、大腸菌の類似酵素であるユビキノン合成酵素UBIAの大量発現の準備を行った。この酵素も膜結合性であるが、大腸菌で発現可能であることから、大量の蛋白調製に適していると考えたからである。現在、C-末端にアフィニティー精製のためのHis-tagを連結した発現コンストラクトが完成したところである。今後、N-末端にタグを付加したものを作成し、大量発現実験を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Terasaka, K.: "Application of vanadate-induced nucleotide trapping to plant cells for detection of ABC proteins"Plant Cell Physiol.. 44・2. 198-200 (2003)
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[Publications] Shitan, N.: "Involvement of CjMDR1, a plant MDR-type ABC protein, in alkaloid transport in Coptis japonica"Proc. Natl. Acad. Sce. USA. 100・2. 751-756 (2003)
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[Publications] Tersaka, K.: "Thalictrum minus cell cultures and ABC-transporter"Phytochemistry. 62・3. 483-489 (2003)
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[Publications] Morishige, T.: "Molecular colning of columbamine O-methyltransferase from cultured Coptis japonica cells"Eu. J. Biochem.. 269・22. 5659-5667 (2002)
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[Publications] Taniguchi, S.: "Hydrolysable tannin production in Oenothera tetraptera shoot tissue culture"Plant Biotech.. 19・5. 357-363 (2002)
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[Publications] Koehle, A.: "High level expression of chorismate pyruvate-lyase (UbiC) and HMG-CoA reductase in hairy root cultures of Lithospermum erythrorhizon"Plant Cell Physiol. 43・8. 894-902 (2002)