2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380287
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相本 三郎 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (80029967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 徹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (70273711)
|
Keywords | GPCR / ノシセプチン受容体 / ペプチドチオエステル / 化学合成 / 縮合条件 / native chemical ligation / チオエステル法 / チオスルホネート基 |
Research Abstract |
ノシセプチン受容体(ORL-1)(アミノ酸370残基)を合成ターゲットとし、7回膜貫通型蛋白質の合成法の開発を行った。膜貫通ドメインを含む合成ブロックFmoc-ORL1(251-287)-SCH_2CH_2CO-Ala-Arg_5-Leu(1)およびFmoc-ORL1(288-328)-SCH_2CH_2CO-Gly-Arg_5-Leu(2)を、C末端の細胞質ドメインに相当する合成ブロックORL1(329-370)(3)を用いFmoc-ORL1(251-370)の合成条件の再検討を行った。まず、ペプチド2と3の水溶液中でのnative chemical ligationの条件を詳しく検討した。その結果、臨界ミセル濃度より少し低めの濃度のSDSを含むpH6.8から7.0の緩衝液中で、メルカプトエタンスルホン酸存在下で両者を効率よく縮合できることが判明した。この反応で通常加えられているホスフィンは添加しない方が合成収率が向上する事がわかった。これらの検討の結果、Fmoc-ORL1(288-370)(4)の合成収率は25%から50%に向上した。二段階目の縮合を行うためにペプチド4のチオール基にチオスルホネート基(-SSO_3^-)を、アミノ基にはBoc基を導入した。チオスルホネート基は、穏和な条件下で導入・除去ができ、銀イオン存在下安定であったが、塩基性で分解しやすい事が新たに判明した。またこのことがチオエステル法によるFmoc-ORL1(251-370)の合成収率が低い原因であることが推察された。以上の結果から、合成ブロックとして、最初からアミノ基とチオール基を保護したものを調製し、それらを用いて膜蛋白質の合成を行うべきではないかとの結論を得た。
|
Research Products
(2 results)