2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヘム分子骨格への直接的化学変換を加えたヘムタンパク質の超高機能化
Project/Area Number |
14380291
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 高史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20222226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久枝 良雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70150498)
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Keywords | ミオグロビン / ヘムタンパク質 / 再構成 / 酸素親和性 / 鉄ポルフィセン / ペルオキシダーゼ活性 / 鉄コロール / タンパク質機能変換 |
Research Abstract |
ミオグロビンはプロトポルフィリンIX鉄錯体(ヘム)を補欠分子族として有し、酸素分子を安定に保持する機能を有している。このヘムはタンパク質と非共有結合を介して相互作用しているため、天然のヘムを酸処理によって除去し、人工補欠分子を挿入した再構成タンパク質の調製が可能である。本研究では、この点に着目し、新しいヘムタンパク質の機能創製をめざしている。本年度は、まず鉄ポルフィセン(鉄ポルフィリンの構造異性体)を有するミオグロビンの高酸素親和性のメカニズム解明を実施し、補欠分子の対称性の低下が酸素結合に有利に働くことと、一酸化炭素に比べ酸素親和性が大きく向上することを突き止めた。これは、今後、再構成ミオグロビンが高感度酸素センサーとして利用可能であることを示唆している。また、この鉄ポルフィセンを有するミオグロビンにおいて、ペルオキシダーゼ反応を追跡する過程で、本来ミオグロビンでは見られない、Compound III(鉄オキシ錯体)種の生成を過剰の過酸化水素存在下で確認した。さらには、コバルトポルフィセンをアポミオグロビンに挿入し、酸素錯体やデオキシ状態での構造の議論を行った。一方、ヘムプロピオン酸末端に、大きな疎水性クラスターを導入することにより、特異的な酸素分子結合を獲得することも見いだした。現在、別の補欠分子として、コロール鉄錯体も合成しており、非天然補欠分子骨格を用いた再構成ミオグロビンの機能変換が大いに期待される。
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Research Products
(7 results)