2003 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達ネットワークシステムを作動させるホスファターゼ分子群の分子機構と意義
Project/Area Number |
14380299
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
島 礼 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10196462)
|
Keywords | PP1 / PTPεC / DSP / トウトマイセチン / インヒビター2 / Raf / MKP-7 / JNKホスファターゼ |
Research Abstract |
1.セリン/スレオニンホスファターゼ(PP): ・最近同定したPP1特異的な阻害剤であるトウトマイセチン/TCを用いてPP1のMAPK経路への関与を解明した。TCはRaf/MEK/ERK経路の活性化を特異的に阻害した。さらに、PP1とRafの共発現の実験により、Rafの活性化には、PP1のホスファターゼ活性が必要であることを明らかにした。 ・細胞質において、PP1触媒サブユニットは、その阻害タンパクのインヒビター2(I-2)と2量体を形成している。今回われわれは、GSK3βが2量体を形成しているI-2に結合すること、I-2のT72をリン酸化することを明らかにした。活性化したGSK3βが、I-2のリン酸化(ホスファターゼ阻害活性の消失)を介してPP1活性のスイッチをONにする機構が考えられた。 ・PP1の触媒サブユニットが、scapininによって核マトリックスあるいはラミナにターゲットされていることを明らかにした。 2.チロシンホスファターゼ(PTP):正常型および不活性変異体PTPεCが構成的に発現するマウス白血病細胞樹立し、それらをヌードマウスあるいはscidマウスに投与した。正常型PTPεCの発現によりマウス白血病細胞の転移先臓器における増殖、あるいは転移そのものが有意に抑制されることを明らかにした。 3.2重基質特異性ホスファターゼ(DSP):MAPKホスファターゼの持つ、MAPK認識ドメインの同定を行い、従来知られている以外のドメインの存在を明らかにした。さらにJNK特異的ホスファターゼであるMKP-7が、ERKによりSer446がリン酸化されることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Mitsuhashi, Shinya: "Usage of tautomycetin, a novel inhibitor of protein phosphatase 1 (PP1) reveals that PP1 is a positive regulator of Raf-1 in COS-7 cells"J.Biol.Chem.. 278(1). 82-88 (2003)
-
[Publications] Sakashita, Gyosuke: "Regulation of type 1 protein phosphatase/inhibitor-2 complex by glycogen synthase kinase-3β in intact cells"J.Biochem.(Tokyo). 133(2). 165-171 (2003)
-
[Publications] Tanuma, Nobuhiro: "Reduced tumorigenicity of murine leukemia cells expressing protein tyrosine phosphatase, PTPεC"Oncogene. 22(12). 1758-1762 (2003)
-
[Publications] Mitsuhashi, Shinya: "Defect of delta-sarcoglycan gene is responsible for development of dilated cardiomyopathy of a novel hamster strain, J2N-k : calcineurin/PP2B activity in the heart of J2N-k hamster"J.Biochem.(Tokyo). 134(2). 269-276 (2003)
-
[Publications] Masuda, Kouhei: "Activation of ERK induces phosphorylation of MKP-7, a JNK specific phosphatase, at Ser-446"J.Biol.Chem.. 278(34). 32448-32456 (2003)
-
[Publications] Sagara, Junji: "Scapinin a novel protein inhibitor of protein phosphatase-1 associated with the nuclear nonchromatin structure"J.Biol.Chem.. 276(46). 45611-45619 (2003)