2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380309
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
猪股 光司 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・生体膜機能研究グループ, 主任研究員 (30142649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
反町 洋之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科・応用生命科学専攻, 助教授 (10211327)
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Keywords | カルパイン / プロテアーゼ / カルシウム / 活性化機構 / ドメイン |
Research Abstract |
平成14年度に行った、大腸菌発現系によるカルパインプロテアーゼドメイン(ドメインII)の性質の解析、および、カルパインサブユニット解離の動態解析を平成15年度では、引き続き行い、プロテアーゼドメインの興味深い性質、即ち、Ca^<2+>依存性、低比活性、カルパスタチン低感受性、などを明らかにした。さらに、カルパインの自己消化の過程を、極めて速い自己消化を起こすカルパインのアイソザイムである、p94(カルパイン3)を用いて解析した結果、自己消化には複雑な過程が存在し、これまでに考えられていた、自己消化=活性化、あるいは、自己消化=サブユニット解離、などの単純化された概念は、修正すべきであることを明らかとした。このp94の自己消化の性質が、他のカルパインでも保存されているかどうかを現在解析中である。また、サブユニットの解離をリアルタイムで検出する系の構築も行っており、自己消化とサブユニット解離の正確な関係を今後明確にしていきたい。また、自己消化型に特異的抗体を用いて、細胞内でのカルパインの自己消化・活性化の動態も解析した。その結果、カルパインには何らかの土台(scaffold)タンパク質が存在し、その上で、基質を特異的に切断する可能性が示唆された。今後は、様々な細胞種で、この実体を明らかにしていきたい。 本研究では、細胞応答(細胞接着)に伴う組織普遍的カルパインの動態についても解析した。その結果、破骨細胞のμ-カルパインが細胞表面のαvβ3インテグリンと骨基質との接着情報によって細胞質から細胞骨格画分に移行して活性化することを明らかにした。また、活性化したμ-カルパインがアクチン結合タンパク質であるテーリンを選択的に限定分解することによって、アクチンリングの形成(破骨細胞が骨吸収能を発揮する上で必須)に関与することが強く示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki, K.: "Structure, activation, and biology of calpain."Diabetes. 53. S12-S18 (2004)
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[Publications] Witt, C.C.: "Induction and myofibrillar targeting of CARP, and suppression of the Nkx2.5 pathway in the MDM mouse with impaired titin-based signaling."J.Mol.Biol.. 336. 145-154 (2004)
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[Publications] Ono, Y.: "Possible regulation of the conventional calpain system by skeletal muscle-specific calpain, p94/calpain 3."J.Biol.Chem.. 279. 2761-2771 (2004)
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[Publications] Kawabata, Y.: "Newly identified exons encoding novel variants of p94/calpain 3 are expressed ubiquitously and overlap the α-glucosidase C gene."FEBS Lett.. 555. 623-630 (2003)
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[Publications] Kimura, E.: "Heterogeneous nuclear ribonucleoprotein K interacts with and is proteolyzed by calpain in vivo."Biosci.Biotechnol.Biochem.. 67. 1786-1796 (2003)
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[Publications] 小野弥子: "カルパインの機能制御と筋ジストロフィー"実験医学. 22. 199-204 (2004)