2003 Fiscal Year Annual Research Report
アクチンフィラメントの協同性とその機能的意義:急速凍結レプリカ法による構造解析
Project/Area Number |
14380312
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50111505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 太郎 産業技術総合研究所, ジーンディスカバリー研究センター, 副センター長(研究職)
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Keywords | 急速凍結電子顕微鏡法 / 3次元像再構成法 / コンピュータ・シミュレーション / アクトミオシン / in vitro滑り運動アッセイ |
Research Abstract |
本課題においては、急速凍結フリーズ・レプリカ電子顕微鏡法を駆使してアクトミオシン滑り運動中の一瞬の姿を捉え、クロスブリッジの3次元構造変化を解析する一方、従来は単なるレールとしての役割しか想定されてないアクチン・フィラメント側に起きる構造変化も視野に入れ、滑り運動の分子機構を総合的に探ることを目標とした。レプリカ試料を対象とする3次元再構成法はほぼ完成したが、今後は、分子内部の構造変化を探ることを目指し、ネガティブ染色試料にも適用できるように改良中である。またアクチンやミオシン頭部のように原子構造が判明している場合には、そのレプリカ像をコンピュータ・シミュレーションにより予測する手法を開発した。現在、それを実際の像と比較して微妙な構造変化を定量的に評価する方法を開発している。それらの手法により、アクトミオシンのフリーズ・レプリカ像を解析した。硬直複合体中でのミオシン頭部の構造はX線結晶回折データから予測されているものとほぼ同等であったが、滑り運動中には、レバーアーム首振り説により想定される分子の屈曲は見られず、逆方向に曲がる粒子が大多数であった。その構造はADP存在下で2価性試薬により架橋したミオシン頭部に酷似する。両者表面の凹凸プロファイルをシミュレーション画像とのパターンマッチングにより定量的に比較した結果、一致度は高く、ミオシン頭部が予想と逆方向に屈曲することは確実である。一方、滑り運動中にはアクチン・フィラメントが剪断され易くなる。ミオシン結合部位の前後でアクチンのらせん構造を比較すると、その位相が微妙にずれていた。アケチン・フィラメントは捩れの力に弱いことが判明しており、滑り運動中にはその方向の力が生じると考えられる。観察されたすべての構造変化の情報を取り込んで、滑り運動の作動機構に関する新たな作業仮説を構築した。現在、それを実験的に検証する手段を検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Tominaga, H.Kojima, E.Yokota H.Orii, R.Nakamori, E.Katayama, M.Anson, T.Shimmen, K.Oiwa: "Higher plant myosin XI moves processively on actin with 35 nm steps at high velocity"EMBO J.. 22. 1263-1272 (2003)
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[Publications] E.Katayama, N.Ichise, N.Yaeguchi, T.Yoshizawa, S.Maruta, N.Baba: "Three-dimensional structural analysis of individual myosin heads under various functional states"Adv.in Exp.Med.& Bioi.. 538. 295-304 (2004)
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[Publications] Y.Fujita, E.Ohto, E.Katayama, Y.Atomi: "αB-crystallin-coated MAPs-microtubule resists nocodazole- and calcium-induced disassembly"J.Cell Sci.. (in press). (2004)
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[Publications] K.Hama, T.Arii, E.Katayama, M.Malton, M.H.Ellisman: "Three dimensional morphometrical analyses of astrocytic processes with the high voltage electron microscopy of thick Golgi preparations"J.Neurocytology. (in press). (2004)
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[Publications] Kohji Ito, Taro Q.P.Uyeda, Y.Suzuki, Kazuo Sutoh, Keiichi Yamamoto: "Requirement of domain-domain interaction for conformational change and functional ATP hydrolysis in myosin"Journal of Biological Chemistry. 278. 31049-31057 (2003)
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[Publications] Akira Nagasaki, Taro Q.P.Uyeda: "DWWA, a novel protein containing two WW domains and an IQ motif, is required for scission of the residual cytoplasmac bridge during cytokinesis in Dictyostelium"Molecular Biology of the Cell. 15. 435-446 (2004)