2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380324
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 嘉典 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20212326)
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Keywords | 減数分裂 / 動原体 / 還元分裂 / コヒーシン / シュゴシン / 染色体接着 |
Research Abstract |
ヒトを含めたほとんどの真核生物は、進化的に優れたゲノムの混合を伴う有性生殖によって子孫を増やす。染色体を半数にする減数分裂過程は、有性生殖機構の中核をなす。体細胞分裂過程では、複製によって生じた姉妹染色分体の二つの動原体は、反対極から伸びたスピンドル微小管によってとらえられ、分裂後期に染色体腕部およびセントロメアの染色体接着因子コヒーシンが同時に分解されることにより、姉妹染色分体が両極に分離する(均等分裂)。これに対し減数第一分裂では、染色体の腕部のコヒーシンが分解され、組み換えによってつながった相同染色体が両極へ分離するが、姉妹染色分体のセントロメアの間のコヒーシンは何らかの機構により分解から守られ、姉妹は分離することなく同一極へ分配されることが知られていた。今回われわれは、分裂酵母を用いて、減数分裂のコヒーシンRec8の分解を阻害する減数第一分裂特異的な動原体タンパク質、シュゴシン(Sgo1)を単離した。さらに、分裂酵母には、体細胞分裂期にも発現しているSgo1類似タンパク質(Sgo2)があり、シュゴシンは減数分裂以外に体細胞分裂の染色体分配においても動原体機能をもつことが分かった。シュゴシンの動原体への局在はBub1キナーゼによって制御されていることも明らかにした。データベース検索の結果と合わせると、シュゴシンは真核生物に広く保存された動原体タンパク質で、減数第一分裂ではセントロメアのRec8を守護する役割をもち、体細胞分裂では正確な染色体分配を保証する役割をもつと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitajima, S.T., Yokobayashi, S., Yamamoto, M., Watanabe, Y.: "Distinct cohesin complexes organize meiotic chromosome domains."Science. 300. 1152-1155 (2003)
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[Publications] Matsuo, T., Kubo, Y., 2 Watanabe, Y., Yamamoto, M.: "Schizosaccharomyces pombe AGC family kinase Gad8p forms a conserved signaling module with TOR and PDK1 -like kinases."EMBO J.. 22. 3073-3083 (2003)
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[Publications] Kitajima, S.T., Miyazaki, Y., Yamamoto, M., Watanabe, Y.: "Rec8 cleavage by separase is required for meiotic nuclear divisions in fission yeast."EMBO J.. 22. 5643-5653 (2003)
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[Publications] Kitajima, T.S., Kawashima, S.A., Watanabe, Y.: "The conserved kinetochore protein Shugoshin protects centromeric cohesion during meiosis."Nature. 427. 510-517 (2003)
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[Publications] Watanabe, Y.: "Monopolar attachment by Polo."Nature Cell Biol.. 5. 379-382 (2003)
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[Publications] 川島茂裕, 渡辺嘉典: "わかる実験医学シリーズ「DNA複製・修復がわかる」"花岡文雄 編集. 100-105 (2004)